メールマガジン
2024年2月号 (第215号)
地球温暖化の進行による気候変動が世界規模の大きな問題となっています。次世代のためにも地球環境を保全していく取り組みは、もはや待ったなしで進めていかなくてはなりません。
今号はよくある加工シーンを例に、「消費電力を減らす」工具選びについて考えてみましょう。
難削材のドリル加工
ステンレスやチタン合金は耐熱性・耐食性にとても優れ、幅広く普及している材料です。しかし、いざ加工対象として見た場合、“難削材”と称される通り、ねば硬く、熱伝導率も低いという、とても削りにくい特性があります。そのため、従来から油穴付き工具(内部給油)が活用されています。なぜなら、油を切削点に直接供給できるため、切削熱の低減や切りくず排出効果が高まるからです。近年は、高い供給圧を要さずとも、十分な吐出量の確保が可能な特長ある油穴仕様が開発されています。ポンプ稼働のための消費電力の大幅な抑制が期待できます。
深穴・止り穴タップ加工
「切削タップ(スパイラルタップ)」での加工中は、「切りくず」が常に進行方向に逆らって発生し続けます。深穴ともなればそのボリュームも相当なもので、適切に排出できないことでのトラブル(折れや刃欠け)がよく起こりがちです。その度に工具交換を余儀なくされますし、連続加工であれば、長く伸びて溜まった大量の切りくず除去作業も頻繁に発生します。これらは、たいてい機械を停止して行なわれますが、この待機時間中も電力は消費し続けています。そのため、停止時間の長さに比例したムダが、累積していくことになってしまいます。これを「転造タップ」(盛上げタップ・溝なしタップともいいます)に変更すれば問題の根源である「切りくず」が発生しません。よって安定した連続加工が可能となり、機械停止による消費電力が大きく減らせます。
非鉄材の平面加工
部品軽量化の志向を背景に、鋼材だけでなくアルミや樹脂など非鉄材の加工ニーズが高まっています。板材のような広い平面の削り出しには、一般的に正面フライスカッタが便利です。その際、大径であるほど刃数が増やせ、一度に広い面を削ることができるのでパス回数も減らせます。ただ、そのぶんカッタ重量も重くなり、取付け可能な機械主軸も大型機に限られてしまいます。また、重いカッタを走らせるわけですから、当然ながら多くの消費電力を費やすことになります。
近年開発されている、小型主軸機でも取付け可能な薄型&軽量の大径カッタは、そうしたジレンマを根本解決する有効策です。大型機での加工と比べて、加工時の消費電力が相対的に抑えられ、環境負荷の少ない省エネ加工につながります。
いかがでしたでしょうか?他にも「使い捨てを減らす」とか「不良率を抑える」など視点を変えればまだまだ有効な策はありそうですね。
小さな取組みの積み重ねが大きな効果につながると信じて……普段の工具選びにちょっと意識を加えてみませんか?
謹啓、向春の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。先月の令和6年の初稿では、「切削工具で環境に配慮する」ということについて、科学させて頂きました。
切削工具に限らずSDGsな現代、軽量化やリサイクルの観点からでしょうか?アルミなどの非鉄金属の他、プラスチック(樹脂)の活用が増えているようでございまして、樹脂加工に関するご相談が増えているように見受けられます。
そんな訳で、今月は樹脂加工にも通じ、かつ先月のテーマである「環境への配慮」にも繋がるイチオシをお届けしたいと存じます。
まずは、こちらをご覧くださいませ。
高い透過性の求められるアクリルをRa=0.075μm、Rz=0.422μmと高精度に加工できております。こちらは、現時点では特殊対応の単結晶ダイヤモンドのインサートを用いた加工ではございますが、標準品のDLCコートインサートでの加工もなかなかの透過性を実現できております。こちらを参照くださいませ。
加えて、本加工を実現しているPFDCというカッタは極めて軽量であり、BT30の小型マシニングセンタでも、φ125の大径カッタが使用可能となります。そして、バランス等級G6.3を保証しておりますので、高速回転でご利用頂けます。つまり、高精度な加工をより速く小型の機械で実現できる、少ない消費電力で高精度・高能率な加工を可能にするエコロジーなカッタなのでございます。また軽量であるということは、工具交換の際のオペレータへの負担も小さく、人にも優しいカッタと言えます。加えて軽量であるということは、より少ない素材で作られており、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点からも、環境に優しいカッタであると言えるのであります。
「省スペースで省エネ且つ高能率で高精度な加工」をお求めの際には、ぜひ候補の一つに挙げて頂ければと存じます。
本稿も皆さまのSDGsな課題解決として、また、お仕事の付加価値や生産性の向上に貢献できれば幸いでございます。
謹言
追伸
玉手箱とかぶってましたね(笑)
推薦コメント:
私が浜松市のお土産としてぜひご紹介したい商品は、「まるたや洋菓子店」で販売されている「あげ潮」です!
「まるたや洋菓子店」は、1949年創業の浜松の老舗洋菓子店です。そこで作られている「あげ潮」は、サクサクとしたコーンフレークや、オレンジ、レーズン、くるみなどが入ったクッキーです。
浜松市出身である所長の池本から、こちらのお土産を教えてもらい、食べてみると、軽い食感のクッキーに、ついつい手が止まらなくなってしまいました!
いろんな味があり、期間限定で「チョコあげ潮」も販売されています。小量の食べきりサイズもありますので、手土産で配る際にも、とってもおすすめですよ!
浜松駅や浜名湖SAでも販売されておりますので、浜松にお立ち寄りの機会がございましたら、是非ご賞味くださいませ!
堀井は2023年に入社した1年目の営業社員です。高校から大学までラグビーに打ち込んでいました。
オーエスジーとは、ラグビー部の先輩(2023年8月号お土産100選担当)を通じて出会い、明るい社風や働いている人たちが「自分に合っている」と感じたことが入社のきっかけとなりました。
営業活動は専門知識が必要になるため、分からないことで苦労する場面は多々ありますが、お客様や、所長、先輩方だけでなく、事務員さん、設計の方々など、多くの方に支えられながら、営業活動を行っているそうです。
一人前の営業社員としてお客様のモノづくりを支えられるように、精進していきたいとコメントしています。