メールマガジン
2022年9月号 (第201号)

今月の玉手箱は「たてがた」と「よこがた」をテーマにお届けします。
この業界に携わっていらっしゃる方はよく耳にされる言葉かと思います。「たてがた」マシニングセンタや「よこがた」旋盤など、主軸の方向によって「たて」と「よこ」がありますよね。この「たて」と「よこ」ですが、漢字で表すといろいろなパターンが考えられます。WEB検索をしてみると……
たてがた=縦型・縦形・立型・立形
よこがた=横型・横形
「たて」と「よこ」だけではなく「がた」の漢字にも違いがあります。どの表現が正しいのかJIS規格について調べてみたところ、JIS B0105には、
「立て旋盤」「立てフライス盤」「立て形マシニングセンタ」
とありますので、JIS通りに表現すると「立て形」が正解なのかもしれませんが、多くの国内機械メーカ様では「立形」と表現されていらっしゃいます。送り仮名を入れるかどうかの問題はありますが、「立形(立て形)」「横形」が正しいといえそうです。
では、立形・横形の特徴についてマシニングセンタを例に簡単に説明します。
立形マシニングセンタ
主軸(回転軸)が垂直方向に付いていて、加工物を上から加工する構造になっています。横形と比較して、主軸が上部にあるため省スペースで、図面と被削材の向きが同じため加工内容が認識しやすいと言えます。ただ、切りくずがたまりやすいため、エアブローや切削油で切りくずを取り除かないと、工具の欠けや折損などトラブルの原因になる場合があります。
横形マシニングセンタ
主軸(回転軸)が横向きに出ていて、加工物を水平方向に加工する構造になっています。立形と比較して、横から切削をしますので、切りくずが下に落ちるため切りくずがたまりにくいと言えます。
ここまで立形・横形の加工機の違いについて説明しました。オーエスジーの工具の中にも「立形用」「横形用」の名前がついたタップがあります。大径「立形」加工機用VXL-SFTと大径「横形」加工機用HXL-SFTです。
この2つの製品は、切りくず形状にポイントがあります。
立形用のVXL-SFTは35~45°のねじれ角でスパイラルタップでは一般的なつながった切りくず形状で切りくずを排出します。
横形用のHXL-SFTは15°の弱いねじれで切りくずを細かく分断して排出します。切りくずを分断する工具設定の理由として、横形の加工機で加工する場合、伸びた切りくずが立形と比較してホルダや主軸に絡みやすいという背景からです。
もう一つ横形用のタップとしてEX-MCTがあります。こちらもHXL-SFTと同様に切りくずを分断する弱ねじれ形状のタップです。
A-SFTの大型部品加工用(M27~)であれば立形、横形どちらでも有効にお使いいただけます。
「立形」と「横形」の違いがお分かりいただけましたでしょうか?
技術の玉手箱は無料WEBセミナー「ランチタイムセミナー」で、より詳細な情報を加えて講師が解説します。今回の内容は9月28日(水)12:20~12:35にお届けします。お申し込みは下記からお願いいたします。
ランチタイムセミナーのお申込みはこちらから。
謹啓、処暑の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて今月は、自動旋盤加工にお薦めの工具をまとめてご紹介したいと存じます。
テーマは、「切りくず排出トラブル回避」、「低抵抗」、そして「取り回しのよい工具サイズ」といったところでしょうか?
と、その前に、本稿はとても長くなりそうでございます。最後までお付き合い頂くには気が重く、まずは月間メルマガ2022年9月号に、2022年時点でのOSGの自動旋盤用工具のお薦めがまとめられていることをご記憶頂ければ幸いでございます。
ともあれ本文を始めます。まずはタップ。
XPF

A-TAP

続いてご紹介申し上げたいのはスレッドミル。今や自動旋盤でもスレッドミルによるねじ切り加工が可能な時代でございます。選択肢はタップだけに限定せず、多様な加工で、より安定した高品位な加工が可能になろうかと存じます。お薦めしたいスレッドミルは以下3点。
WH-VM-PNC

AT-1

AT-2

続いて穴加工用工具のお薦めは4点でございます。
EX-SUS-GDS・EX-SUS-GDN・EX-SUS-GDR

EX-SUS-GDNはミディアム形。φ1~1.99と狭いレンジながら0.01mmトビをご用意。EX-SUS-GDS同様、ご希望の穴加工をサポートいたします。
EX-SUS-GDRはレギュラー形。φ2~6の範囲は0.01mmトビ、φ6~13は0.05mmトビ、φ13~27で0.5mmトビ(φ14.1、15.6、17.6含む)、φ27~32は1mmトビで、全590サイズをご用意。工具の全長の制約などで、全サイズが自動旋盤で使える訳ではないでしょうが、選択肢の一つに入れて頂ければ幸いでございます。
WX-MS-GDS

ADO-MICRO

ADF

また、特定代理店在庫品ながら自動旋盤専用のシリーズもございます。刃径サイズは限定的ではございますが、油穴無しのADF-NC、油穴付きのADFO-NC。その他ロングシャンクタイプのADFLS-2D、油穴付きの3DタイプのADFO-3Dもございますので、用途に合わせてご検討頂ければと存じます。
エンドミルのお薦めはこちらでございます。
AE-VTSS

AE-TS-N・AE-VTS-N

最後にインデキサブルツールのお薦めでございます。
EcoCut Mini

「あらゆる加工を1本の工具で」のコンセプトで開発されたEcoCutシリーズからEcoCut Mini。これ1本で、穴あけと内径ボーリングを代用、工具集約、加工時間短縮、工具コスト低減に寄与いたします。
PSE

また先月、肩削りカッタシリーズPSEに、自動旋盤対応サイズがラインナップされてございます。
本稿も、皆さまのお仕事の採算性や付加価値、生産性の向上並びに、我々の生産活動のSDGsな課題解決の一助となれば幸いでございます。
謹言

OSG月刊メールマガジン201号からの新企画「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。
記念すべき第1号はメルマガ編集長推薦の一品、稲荷巻せんべい「商売繁昌虎の巻」です。
編集長コメント:
商売繁盛で知られる「豊川稲荷」参拝時のお供と言えば「稲荷巻せんべい」です。
切削工具メーカが紹介するにふさわしく非常に硬いお菓子(おせんべい)ですが、非常に甘くもあります。懐かしの味であり、どちらかと言うと歯の丈夫な方におすすめです。
当社は多くのお客様に、工場見学や打ち合わせ、テクニカルセミナーなどで豊川市にお越しいただいております。時折、豊川稲荷に立ち寄り、一緒に商売繁盛を祈願することもありました。豊川稲荷でのご祈祷や、門前のレトロな街並みは海外のお客様にも好評で、「稲荷巻せんべい」はそんなお客様との思い出も詰まった一品です。
ここで豊川稲荷の紹介を。愛知県豊川市のオーエスジー本社より車で10分ほどの場所に「豊川稲荷」があります。有名な京都の伏見稲荷大社は名前の通り神社ですが、豊川稲荷は正式には「妙嚴寺」というお寺になります。
「商売繁昌虎の巻」はお稲荷さんお遣いである狐が口にくわえている巻物をかたどった稲荷巻せんべいと言われるお菓子です。薄く焼いたおせんべいで砂糖菓子を巻いており、砂糖部分の甘さとおせんべいの香ばしさが素朴な味わいのお菓子です。緑茶はもちろん、濃いコーヒーと一緒に食べるのもおすすめです。
豊川稲荷の近くにはオーエスジーのマスコットキャラクター「タップくん」のマンホールも設置されています。お越しの際はぜひ探してみてください。
OSG-Email倶楽部発刊から続いている「技術の玉手箱」のように、このお土産100選もご愛読いただけますと幸いです。皆様にお楽しみいただけるようこれから様々なお土産を紹介してきます。どうぞお楽しみに!
喜楽
http://www.kiraku.net/
商売繁盛虎の巻