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2024年11月号 (第224号)

技術の玉手箱 /  環境配慮

温暖化の進行による気候変動が世界規模の大きな問題となって、私たちの生活にも影響を及ぼしています。次の世代のためにも、環境を保全していく取り組みは、誰もが関わりを持って進めていかねばならない、深刻なレベルにまで来ています。

いうまでもなく、切削加工を生業とする企業にとって最も重要な命題は、不良を起こすことなく、その加工目的を安全に、かつ確実に遂行し、適正な利益を得ることです。ですが、今後はそこに「環境へいかに配慮するか」という要素もプラスしていく必要がありそうです。

例えば工具選定において、「省エネルギー」化に貢献できる方策はどんなものがあるか考えてみましょう。

深穴ドリル加工

穴深さがドリル直径からみて5倍(=5D)程度までであればそれほど深くはなく、加工自体もさほど難しくありません。しかし、これが10D超えともなると状況は大きく異なります。

切りくずの体積と重量が増え、外へ排出するための道のりも長くなります。さらに、切れ刃に切削油が届きにくくなり、刃先に切削熱が溜まって切れ刃が軟化し、性能ダウンしてしまいます。

こうしたケースでは、油穴付き工具(内部給油)が非常に有効です。切削油を刃先に直接供給でき、冷却効果や切りくず排出作用が高められます。

特に、40Dや50Dといった超深穴レベルでは効率的に吐出量が確保できる、より大型の油穴を備えた仕様が開発されています。安定加工ができるのはもちろんのこと、環境面においても高いクーラント圧が要らなくなるため、ポンプ稼働のための消費電力の低減につながります。さらに、工具寿命もアップしますので、廃棄物の削減や工具交換のための機械停止時間を減らせるメリットが期待できます。

平面のフライス加工

燃費を向上させる、持ち運びをしやすくするなど、ユーザーのニーズに対応するため、加工部材の軽量化志向が高まっています。従来は鋼材であったものが、非鉄や樹脂に置き換えられるケースも増えています。

板状のプレートのような広い平面の削り出しには、一般的に正面フライスカッタがよく用いられます。当然ですが、そのカッタ径が大きいほど、一度に削ることができる面積も増えます。そのため、ワーク全面を削るのに要するパス回数も減らすことができます。

ですがそのぶん、カッタ重量が重くなり、セットできる機械主軸も大型機に限定されてしまいます。また、重いカッタを動かすためには多くの消費電力も費やすことになります。

こうした課題に対し、近年では小型機にも取り付けできる薄型・軽量の大型カッタが開発されています。大型機での使用と比べて、消費電力の低減を図ることができます。

また、あわせて、その際に仕上り精度の高いインサートを選定すれば、最終仕上げまでに要する手間(磨き・バフ掛け工程など)を省くことができるため、環境負荷の低減がいっそう高められます。

これらの事例のほかにも、当社では環境へ配慮した製品をたくさん展開しています。

皆さんの工具選びの選択肢に、ぜひ加えていただけますと幸いです。

K爺のイチオシ /  高性能・低炭素型転造タップGRT

謹啓、向寒の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

今月のイチオシは、JIMTOF2024でOSGが掲げる4つのテーマ、『最先端技術体験』、『DX体験』、『サステナブル体験』、『エンタメ体験』の中の『サステナブル体験』からお届けいたします。

その名もGREEN TAP(以下GRT)でございます。あ、お風呂とかキッチンなどの建築用金属製品製造業のL○X○Lさんと、ウィスキーやビール他飲料製造メーカのS□nt△ryさんが開発したサービス“Greentap”ではございませんのでご注意をm(__)m

まずは、こちらをご覧いただきたいと存じます。

1. 作り方を変えました

GRTは独自の新製法を採用し、従来と比較し消費電力量を削減することで排出される二酸化炭素量を35%削減した低炭素型製品でございます。続いてこちらをご覧ください。

2. カタチを変えました

GRTは、独自の新形状の転造タップでございます。最も発熱する刃先付近に多くの切削油剤を供給することで冷却効果を高め、耐久性を向上させてございます。加えて、心厚が大きく耐折損性を向上、バラツキのない高い耐久性を実現いたしました。

そして……

3. 製造業を変える

以下は、2024年2月14日に環境省地球環境局が発表しました「国内外の最近の動向について(報告)」の「各国のエネルギー起源CO2排出量の推移」の資料でございます。

出典:環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/content/000198600.pdf)

出典:環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/content/000198600.pdf)

2020年の世界総計は317億トン、日本はその3.1%、約10億トンを占めるとのことでございます。

一方、林野庁によりますと、樹齢36~40年のスギ人工林1ヘクタールが1年間に吸収する二酸化炭素の量は約8.8トンとのことでございますから、約8.8トンの二酸化炭素排出量を抑制することができれば、樹齢36~40年のスギ人工林1ヘクタールに相当すると言えます。

このように考えますと、少々飛躍した物言いかも知れませんが、GRTをお使いいただくことは、製造現場のサステナブル化に繋がると自負するものでございます。GRTが、カーボンニュートラルに向けて製造業が変わる一助となれば幸いでございます。GRTの詳細はこちらでご確認下さい。

OSGではGRT以外にも、カーボンフットプリント※2の改善に着目した製品(当社では Gtagと呼んでおります)も用意してございます。合わせて採用をご検討頂けたらと存じます。詳細はこちら

※2)CFP_Carbon Footprint of Productの略語。製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに⾄るまでのライフサイクル全体を通して排出される GHG の排出量を CO2 排出量に換算し、製品に表⽰された数値もしくはそれを表⽰する仕組み。(2023年5月に経済産業省、環境省が開示したカーボンフットプリント ガイドラインより)

本稿も、皆さまのSDGsな課題解決として、また、お仕事の付加価値や生産性の向上に貢献できれば幸いでございます。

謹言

OSGお土産100選 /  加工好き用ラーメン&加工安全御守

OSG月刊メールマガジン「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。

今回、ご紹介するお土産は東京ビッグサイトで開催中のJIMTOF2024でのお土産としてお配りしている、ノベルティの「加工好き用ラーメン」と「加工安全御守」です。

OSGブースは西1ホールW1020です。皆様のご来場をスタッフ一同、心よりお待ちしております。

JIMTOF2024の詳細はこちら

推薦コメント:
「加工好き用ラーメン」はオーエスジーと同じく愛知県に本社を構える小笠原製粉(株)とのコラボです。

小笠原製粉(株)の「キリマルラーメン」は昭和40年に愛知県碧南市を中心として西三河地方で発売された、元祖ご当地即席ラーメンです。

小麦、大豆、コメの原材料の大半は地元の農作物を中心に使用してます。

JIMTOF2024では工具自販機MONOlithboxの操作体験をされた方に、もれなくプレゼント中!


小笠原製粉株式会社
公式サイト:http://ogasawara-seifun.jp/
オンラインショップ:https://ogasawara.shop-pro.jp/

推薦コメント:
「加工安全御守」はモノづくりの現場で、安全かつ順調に加工が行えることを祈り、オーエスジー本社にほど近い三河國一之宮 砥鹿神社にてご祈祷していただいたお守りです。

砥鹿神社は本宮山に千三百年以上前から鎮まる神を祀る奥宮と、里にて祀る里宮とで二所一体の崇敬を集める、三河国内の筆頭神社一之宮の神社です。

OSGブースでの企画とSNS限定企画で、デザインの違うお守りをご用意しています。ぜひご参加ください。

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