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2024年7月号 (第220号)

技術の玉手箱 /  これぞ信頼の証!検査・校正・トレーサビリティ

曲がったキュウリ、二股に分かれた大根、欠けた煎餅の大袋など、“訳あり品”としてお値打ちに販売されているのをよく見かけますね。

本来の規格から外れてはいるけど、味が一緒なら全然気にならない、むしろ面白い形で食卓の会話が弾む、……と好んで利用している方も多いと思います。

対して、工業製品である「ねじ」においては、そんなゆる~い考えは通じません。

おねじ・めねじ共に規格通りの寸法精度をきちんと満足したものでなくては、適切にはめ合うことができず、機能に影響します。ですから、不良品を流出させないためにも「ねじゲージ」によるチェックは非常に重要です。

しかし、意外と見落とされがちなのが、ゲージは「消耗品」である、という認識です。

「切削工具」であれば使い続けているうちに、面粗さが悪化したり、異音がするなど、工具自体の性能低下を示す様々なサインが現れますが、「ねじゲージ」はほとんどサインが現れません。よって、ゲージの使用頻度に応じた「健康診断」が必要です。

人間の健診で血圧計や聴力計といったいろんな機器が使われるように、ねじゲージ自体の検査にも三針・ブロックゲージ・マイクロメータなど様々な計測器類が使われます。

ここで出た検査結果が規定内に収まっていたなら……合格!よーし、まだまだ使えるぞー。

……と、ちょっと待った!本当にそう言い切れるのでしょうか?

その検査でもし錆びて傷だらけの計測器を使っていたとしたら、判定結果は極めて疑わしいものとなりますね。そうならないためにも、例えばこの計測器が示す10mmは客観的に見ても正しく10mmであると、誰もが認められる環境を整えておくことが校正にとって重要となります。

具体的には、信頼のおける外部機関にて、厳格な状態チェックを受けた効力のある計測器を、常に基準として使うことにより、裏付けができるようになります。

またその外部機関の管理体制が、国家標準に常にきちんとつながっている(トレーサブル)ことを証明できる仕組みを設けることで、さらにデータの信頼度・信憑性が対外的にも向上します。

もちろん、当社はこれら検査・校正・トレーサビリティの一連の体制がしっかり確立していますのでご安心ください。

ねじゲージ校正のトレーサビリティ体系

ねじゲージ校正のトレーサビリティ体系

なお、校正は車の車検のように公的に決められた周期はありません。あくまでご使用頻度に応じた、各自での設定となっていますが、概して1~2年周期で実施されることが多いようです。

当社では、校正の周期のはざまでも普段からお客様ご自身でゲージの摩耗具合を日常点検できる、独自の点検アイテムを展開しております。あわせて有効にご活用ください。

さて、この原稿も誤字・表記・句読点を正しながら、厳しい「文章校正」を経てお届けしています。でも、もし気になるところを見つけたら……品質向上のためにも、お知らせいただけますと幸いです。

K爺のイチオシ /  ねじゲージ

謹啓、向暑の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

今月は、ROBOT TECHNOLOGY JAPANが4日(木)~6日(土)の期間で開催されます。物流の2024年問題や、高齢化に伴う人口の減少により懸念される2030年問題を前に、本イベントの注目度は益々高まるのではないでしょうか?

最近では、「バリ取りや検査など後工程をロボットで」というお話も聞くようになりましたし……ということで今月は、ロボットでねじゲージを使うとしたら?というイチオシでございます。

JIS B 0251:2008によりますと、

「通り側ねじプラグ(リング)ゲージは、手でねじ込んだとき、工作物ねじの全長を通り抜けなければならない。これが不可能な場合には、工作物ねじは規定を満足していない。止り側ねじプラグ(リング)ゲージは、手でねじ込んだとき、工作物ねじの両端に入ってもよいが、ねじの2回転を超えてはならない。ねじが2回転を超えたかどうかは、ゲージを抜くときに決定する。ゲージが工作物に2回転を超えてねじ込むことができる場合は、ねじの仕様を満足していない。止り側ねじプラグ(リング)ゲージは、3山以下のねじ長さの工作物には完全に通り抜けてはならない。」(傍点筆者)


と記載されています。

ロボットでねじゲージを使う場合、この「」をどう再現できるのでしょう?測定するねじサイズ毎に適切なトルク設定ができればよろしいのでしょうが、そもそもねじサイズ毎に「」が具体的に設定されている訳ではございませんし、また、ねじゲージを測定物と必ず垂直になるように制御することも難しそうでございます。

となりますと、ある程度過大な力で使われたとしても不用意に摩耗しない、また、軸が多少傾いてねじゲージへの負荷が大きくなったとしても損耗し難い、そんな要件がねじゲージに求められるようになるのかもしれないと推測いたします。そこでお薦めしたいのがこちら、TiNコーティングねじ用限界ゲージでございます。また、測定物の素材がアルミ等で凝着が心配される場合は、より摩擦係数の小さいDLCコーティングねじ用限界ゲージも有効かと存じます。以下、サイズラインナップ一覧でございます。これ以外のサイズの場合、特殊対応となりますので、当社営業までご相談くださいませ。

  TIN-LG DLC-LG TIN-HL-LG
精度 寸法 GP GPIP GPNP GPWP GP GPIP GPNP GPWP GP GPWP
2 M2.5X0.45       
M2.6X0.45        
M2X0.4        
M3X0.5        
M4X0.7        
M5X0.8        
M6X1        
M8X1.25        
M10X1.25        
M10X1.5        
M12X1.75        
6H M2.5X0.45            
M2.6X0.45            
M2X0.4            
M3X0.5            
M4X0.7            
M5X0.8            
M6X1            
M8X1.25            
M10X1.25            
M10X1.5            
M12X1.75            
3B 0.1380-32UNJC          
0.1640-32UNJC          
0.1900-32UNJF          
0.2160-28UNJF          
0.2500-28UNJF          
0.3125-18UNJC          
0.3125-24UNJF          
0.3750-24UNJF          
0.4375-20UNJF          
0.5000-20UNJF          
0.5625-18UNJF          
0.6250-18UNJF          
0.7500-16UNJF          


なお、TiNコーティングねじ用限界ゲージ、DLCコーティングねじ用限界ゲージともに、めねじ用のプラグゲージの通り側のみでございます。おねじ用の限界ゲージで同様の機能を求められる場合は、コーティングではなくねじゲージの母材の硬度を高める等、特殊品での対応となりますので、こちらも営業にご相談くださいませ。

続いてもう一つお薦めしたいのが、摩耗点検ねじゲージでございます。摩耗点検ゲージで、ロボットが使用する限界ゲージを自分で定期的に検査することも可能なのではないでしょうか?と、妄想の止まらない爺でございます(笑)

本稿も皆さまのSDGsな課題解決として、また、お仕事の付加価値や生産性の向上に貢献できれば幸いでございます。

謹言

OSGお土産100選 /  Gulab Jamun(グラブジャムーン)

今月の「OSGお土産100選」
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。

今回、ご紹介するお土産はOSG Indiaの東より推薦の「Gulab Jamun(グラブジャムーン)」です。

推薦コメント:
私のオススメのインドのお土産はGulab Jamun(グラブジャムーン)です。

Gulab Jamun(グラブジャムーン)はなんといっても甘さが特徴です。”世界一”甘いと言われているお菓子で、丸めたドーナツ生地を甘いシロップに漬け込んで作られます。インドでは非常にポピュラーなお菓子です。

インドのスパイシーなカレーの後に、デザートとしてこの激甘スイーツを頂くのがインド流。私もオススメされて初めて食べたときは、あまりの甘さに一つでギブアップでした。

甘党の方にはたまらない一品、インドに訪れた際はカレーとともに是非ともチャレンジしていただきたいです。


東は2016年に入社し、現在はOSG Indiaで勤務しています。インドでは様々な経験をしているとのことで、いくつかエピソードをご紹介いたします!

ヤギ事件

OSG Indiaの工場の敷地内に立派な木があるのですが、その木が伸びてきて電線にあたりそうでしたので、外部業者に伸びた部分を切ってもらいました。インドの職人が、はしごを使用せずに颯爽と木に登って枝を切る姿に驚き!
さらに、枝を切ってしばらくすると、どこからともなくヤギが集まってきて、気が付いたら工場の前はヤギだらけに!切り落とした枝についた葉っぱをおいしそうに食べていました。インドならではの風景です。

剪定した枝に集まるヤギ

剪定した枝に集まるヤギ

インドの人気スポーツ

私はサッカーが趣味です。夏は45度を超えるインドで、暑さに負けじとボールを追いかけています。しかし、インドではサッカー以上にクリケットというスポーツが大人気!クリケットとは野球の原型になったスポーツといわれており、ピッチャーが投げたボールを平たいバットで打ち、得点を競います。インド国内では毎日のように試合がTVで放送され、男女問わず圧倒的関心を寄せています。OSG Indiaの従業員も全員がルールを熟知しており、定期的に社内で試合を行っています。

クリケット大会

クリケット大会

ココナッツブレイク

ココナッツブレイクというのは、例えば車の購入や新しいビジネスの立ち上げなど"新たなはじまり"の際にインドで必ず行われる行事です。ココナッツを思い切り地面に叩きつけて叩き割ることで、成功と繁栄が訪れるとされています。インドではココナッツは神聖な果物とされ、様々な祝祭や儀式の際に、神々へのお供え物として捧げられます。OSG Indiaでも工場に新たな設備を導入した際などに、毎回ココナッツブレイクを行っています。私も工場のリノベーションが完了した時にココナッツブレイクにチャレンジさせてもらいました。

ココナッツブレイクする東

ココナッツブレイクする東

インドの平均年齢

OSG Indiaに赴任して驚いたのはインド人の平均年齢の低さです。2023年にインドの人口は14億2800万人となり世界一となっています。この世界一の人口の平均年齢が28.2歳、日本の平均年齢48.4歳との差に驚きました。実際にOSG Indiaの従業員の平均年齢もおよそ30歳前後と非常に若い年齢で構成されています。

OSG India社員

OSG India社員

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