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2018年4月号 (第148号)

技術の玉手箱 /  トルクスとトルクスプラス

皆様こんにちは。OSGでは3月19日より、OSG PHOENIXシリーズのキャンペーンがスタートしました!キャンペーンにちなんで、今回は技術の玉手箱もインデキサブル工具をテーマにお送りいたします。

インデキサブル工具は、ボディにインサートと呼ばれる刃先を装着して使用する刃先交換式の工具ですが、そのインサートの取り付けに必要になるのが、ねじを締めるレンチ(ドライバ)です。このレンチについて、「OSG製のレンチを他社カッタにも使うことはできるのか?」というご質問を受けることがあります。

その答えは… 「使用できます」。

各社のインサートの取り付けねじには「Torx(トルクス)」というねじが広く使われていて、呼びが合致していれば、レンチの共用が可能となります。ただし、共用できるのは同じ規格・呼びの場合のみですので、規格や呼びが異なるレンチは絶対に使用しないでください。ねじやレンチの先端を傷めてしまう可能性があります。

インサートの取り付けねじに使用されるTorxとは、1967年にアメリカ合衆国のテキストロン・カムカー社が開発した六角星型のねじ頭の規格で、「Torx」という名称は登録商標です。

そのTorxのねじには「トルクス」と「トルクスプラス」という2種類があります。

どちらも六角星形をしていますが、よく見ると形状が少し異なります。よって、トルクス用のレンチとトルクスプラス用のレンチは共用できません!

形状的に、トルクスプラスのねじにトルクスのレンチは入ってしまいますが、ねじの頭をなめてしまう危険があるので使用はしないでください。

同じく「共用」というテーマでよくある質問に、インデキサブルカッタのインサートについて「型番の同じ他社製インサートを取り付けたらぴったり装着できた。このまま使ってもよいか?」というご質問があります。

その答えは… 「使用できません」!

ISO表示の合ったインサート型番ならば、他社製でも取り付けられるケースが考えられます。しかし、たとえ取り付けられたとしても、チップのブレーカ形状などによっては切削性が変わってしまう可能性があります。

近年のカッタインサート形状は、ブレーカなどが各社独自の仕様になっており、対象ボディとの取り付けにおいて最大の性能が発揮できるよう設計されています。そのため、他社製インサートの共用は推奨しておりません。

上記のように、共用できるもの、できないものをご理解いただいた上で、適切に工具をお使いください!

K爺のイチオシ / 肩削りカッタPSE

謹啓、陽春の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。おかげさまで先月26日、当社では創立80周年を迎えることができました。その感謝の想いを形に、3月19日から5月31日まで、当社インデキサブル工具、OSG PHOENIX製品のBODY無償キャンペーンを行っております。詳細はこちらでご確認ください。80周年大感謝祭 ということで、今月は、その感謝キャンペーン対象製品からイチオシのご紹介でございます。

フライス加工で行われる、正面フライス、溝、側面、プランジ、ランピング、ヘリカル、ポケットと、幅広い加工に対応可能な、肩削りカッタPSEをご紹介させて頂きます。

PSEの最大の特長は、ヘリカルやランピング加工時など、切りくずが繋がり、切りくずトラブルを起こし易い加工を、安定して行える点にあります。

PSEのインサートの底刃には、ノッチと呼ばれる窪みがございます。そのノッチが切りくずを2つに分断し、切りくずの噛み込みや巻き付きを防止、スムースな加工を実現できるのでございます。以下の左図の赤丸内がノッチでございます。そして、切りくずを分断するメカニズムが右図でございます。

百聞は一見に如かず…では、そのノッチの効果を動画でご覧頂きたいと存じます。

PSEによるヘリカル加工の動画


他社肩削りカッタによるヘリカル加工の動画


如何でしょう?切りくずの、安定した排出が確認できましたでしょうか?

続きましては、小さな切削抵抗で、加工負荷の大きい溝加工においても高能率な安定加工が可能である点をご確認頂きたく存じます。以下の表は、カッタ径Φ25のPSEと他社製肩削りカッタの溝加工を行った際の加工条件の比較でございます。同じ切削速度でありながら、他社製肩削りカッタの送り速度500mm/minに対し、PSEではその1.6倍の800mm/minで加工出来ております。このように、PSEのインサートは、ノッチという特長の他、大きなすくい角を実現する3次元形状の切れ刃により、切削抵抗を著しく低減できているのでございます。


使用工具PSE11R025SS25-2S(φ25x2刃)他社肩削りカッタ
使用チップ
(材種)
ZDKT150508SR-GM
XP3035
超硬コーティングインサート
被削材S50C
切削速度188m/min
(2,395min-1)
送り速度800mm/min
(0.17mm/t)
500mm/min
(0.11mm/t)
切込深さ5mm
切込深さ25mm
切削油剤エアブロー
使用機械横形マシニングセンタ(BT40)
折角でございますので、この加工の様子も動画でご覧頂きたいと存じます。

PSE溝加工の動画


更にPSEは、立壁加工時の加工段差を抑制できるよう、インサート外周刃に大きなRを設けております。結果、下表のように、加工段差の小さい良好な加工面が得られるのでございます

この効能を随所で活かして頂きたく、柄付タイプとねじ込みタイプに、1mmの刃太サイズをご用意いたしております。刃太とは、シャンク径よりも刃の方が太い工具のことで、金型などの深い立壁の加工でも、柄部が干渉することなく安定した加工が可能でございます。

最後に、皆さまが懸念されるインサートの選択肢について少々…昨年、鋼加工において耐摩耗性に優れる新材種、XC3020、XP3025を追加、またコーナーRサイズバリエーションも拡充し、インサートアイテムは、11サイズインサートで79アイテム、15サイズで35アイテムまで拡がり、圧倒的なラインナップで様々な加工に対応致します。80周年大感謝際の、#やばいくらいお得なキャンペーン、是非この機会をご利用頂けたらと存じます。最後となりますが、各被削材ごとのインサート材種の選定にはキャンペーンチラシ裏表紙の“インサート選定マップ”をご活用くださいませ。

皆さまの夢をカタチに、本稿も皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。2018年4月、素晴らしい年度始めとなりますように…

謹言

【Q】 OSG PHOENIXシリーズのインサート「XP3035」の色が以前と異なります。誤って、別のインサートが送られてきた?

【A】 「XP3035」は仕様変更により、色が金色からシルバーに変りました。性能や対応被削材は、従来と同じようにご利用いただけます。

英語ワンポイント /  outstanding

小春日和の午後、カタログに掲載予定の加工事例とにらめっこしていたさらちゃん。黙々と読み進め、時に他の書類やカタログと見比べ、何やら書き込み・・・、ひと段落ついたのか、にっこり微笑んで「outstanding!」と口にしながら、立ち上がったのであります。

それを見ていたけんちゃんが、思わず声をかけます。

けんちゃん
さ、さらちゃん!何やったの?外に立つって、何を反省するようなことをしたの?

さらちゃん
は?はい~?私、何も反省するようなことしてませんよ・・・

けんちゃん
え?今、outにstandingって言ったでしょ?外に立つんでしょ?自ら立たされに行くんでしょ?

さらちゃん
あら~、相変わらず、耳だけは良いのね(笑)でも、全然違いますよ!むしろ逆です(^^)v
「outstanding」とは、ずば抜けて凄い、実に優れた、抜き出て優秀な、と言うような意味がありまして・・・この加工事例、今度カタログに掲載するんですけど、凄いんです!ドリルを変えたら、タップの加工穴数が1500穴も増えたんですって!凄いでしょ~?!だ・か・ら、“outstanding!”と思わず声が出たんです。そうそう、先月ご馳走になったお寿司やさんもoutstandingでしたネ。何を食べても美味しくて~~~~~っ(先月のバックナンバーをご覧くださいネ)

けんちゃん
な、なるほどネ~(^^;
立っている(standing)している位置が飛び出している(out)している)=「ずば抜けたところに立っている」=「突出して優秀な」ってことね。そして、ボクも突出して優秀だと…小学生の時、ほぼ毎日out(教室の外の廊下)にstanding(立たされていた)だったからね~ (^^)v (笑)

けんちゃんの、ふざけ方がoutstandingな話は黙殺して、さらちゃんがにらめっこしていた加工事例がどれなのか、ぜひ探してみて下さいね。ホントにoutstandingな事例ですから…

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