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2018年3月号 (第147号)

技術の玉手箱 / ねじのない、ねじゲージ?

今回は、ねじの合否判定には欠かせないゲージについて、お話させて頂きます。一般的に、製品のねじ合否判定に使われるゲージは、ねじ用限界ゲージ(LG)と呼ばれます。通り側と止り側で1組となっており、通り側が無理なく通り、止り側が2回転以上ねじ込むことなく止まれば、そのねじは合格となります。

写真のように、めねじを判定するゲージはおねじ形。おねじを判定するゲージはめねじ形をしています。

しかし、今回ご紹介したいのは、「ねじのないねじゲージ」です。百聞は一見に如かず!ということで、以下の写真をご覧ください。

写真をご覧いただくとお分かりのように、内径用プラグゲージはツルツルとしてねじ山がありません。外径用リングゲージも山がなく、ただの輪っかに見えます。しかし、これらもちゃんとJISの規格に定められているねじゲージの一種なんです。

内径用プラグゲージはめねじの内径を測るもの
外径用リングゲージはおねじの外径を測るもの

ねじ山がなくても、ねじのチェックをするゲージなので、一般的なねじ用限界ゲージ(LG)に分類されるそうです。

オーエスジーでは、内径用プラグゲージを標準品としてご用意しています。外径用リングゲージは特殊品にて製作対応しております。転造タップの加工では、規格通りに内径が盛り上がっているかどうかの検査が必要ですので、そんな時にこの内径用プラグゲージをご利用ください。

転造タップの加工をされている方がいらっしゃいましたら、この「ねじのないねじゲージ」のことをぜひ覚えておいてくださいね♪

K爺のイチオシ / 3Dセンサ

謹啓、軽暖の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。一月は行く、二月は逃げる、三月は去る…時の経つのは早いモノで、いよいよ年度末でございます。そして来月からは、フレッシュな新入社員が出社される会社も多いのでは?ということで、いっそうご安全にお仕事して頂けますよう、そんなイチオシのご紹介でございます。

失礼かと存じますが…
原点出し作業でオフセット量を間違えてしまい、工具をワークにぶつけてしまった経験はございませんか?

面倒なオフセットも、3Dセンサがあれば不要でございます。ヒューマンエラーを防止し、作業時間も短縮できる、加えてあんなこともこんなことも…今月は、弊社が提携しておりますドイツはHaimer社製の芯出し装置2機種のご紹介です。

3Dセンサ

3Dセンサは、ワーク端面の原点出しや平行出しに便利な測定装置でございます。その特長を4つご紹介したいと存じます。

①オフセット不要
既述のようにオフセットが不要な為、ヒューマンエラーを防止、作業時間も短縮が可能でございます。上図をご参照くださいませ。

②平行出し作業に便利
ワークの平行出しは加工前の重要な作業でございます。その重要な作業も、従来型装置では測定時にダイヤル部が横向きになってしまい、大変見辛く難儀された方も多いのでは?3Dセンサでしたら、X軸・Y軸いずれの測定時もダイヤル部の向きが変わらず、効率的な作業が可能なのでございます。

③Z軸の測定が可能
3DセンサはZ軸の測定も可能です。その為、ワーク上面を走らせる平行度の測定にも有益でございます。

④防水仕様
本3Dセンサは、IP67等級をクリアしており、多少の油や水がかかっても問題ありません。お気軽に安心してご利用可能でございます。とはいえ、故意に、油や水をかける・浸す行為はおやめくださいネ。
以上、3Dセンサの特長や使い方が分かる動画をご用意いたしました。こちらで是非ご覧頂けたら。

セントロ
続きまして、〝セントロ“をご紹介させて頂きます。‟セントロ”とは、丸穴・丸ボスの芯出し装置でございます。
一般的なダイヤルゲージで穴やボスの芯出しをする場合、ダイヤル部が回ってしまい、機械の中に体を入れてのぞき込んだり、手鏡を使ったり…と、大変、ご苦労されてダイヤル表示を確認した経験のある方は多いのではないでしょうか?

そこでセントロの出番でございます。付属の回り止めアンテナを取り付けることで、ダイヤル部は常に正面を向き、ダイヤル表示の確認が容易となるのでございます。

また主軸を起動させて使うことができるのも、セントロの特長でございます。空いた両手でテーブルを移動できるため、短時間で芯出し作業が完了いたします。対応径はφ3mm~φ125mmと幅広く、大径の測定に便利な湾曲プローブや、小径の測定に便利な小径用プローブもございます(注:いずれもオプション)。

加えてセントロは、IP64等級をクリアした防水仕様となっており、多少の油や水がかかっても問題なく、安心してご利用頂けます。3Dセンサ同様、セントロも特長や使い方をまとめて動画をご用意いたしました。百聞は一見に如かず、是非ご覧頂けたらと存じます(動画はこちら)。

皆さまの夢をカタチに、本稿も皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。来月は4月、新しい年度を迎える方も多いかと思います。素晴らしい年度始めとなりますように…

謹言

【Q】 メッキ処理をしたら、おねじがきつくなってしまった。少し大きめのめねじにするには、どんなタップを使えばよい?

【A】 「オーバサイズ」のタップをお使いください。

後工程でメッキや熱処理を施す際、「オーバサイズ」のタップを使用し、少し大きめにめねじを加工します。

「オーバサイズ」のタップとは、2級めねじ相当適応のタップの推奨精度より有効径が大きいタップです。

カタログ(精度表記欄)では、「STD+1」、「STD+2」などと表記されています。「2級めねじ相当適応のタップの推奨精度」を「STD」と表し、「STD」より有効径が大きいオーバサイズを「STD+1」、「STD+2」と記載しています。

また、STDの数字が1つ上がるとオーバサイズ量は、下記のように変化します。
【切削タップ】
・P0.6以下:15μmプラス
・P0.7以上:20μmプラス
【転造タップ】
・12.7μmプラス(ピッチによるオーバサイズ量の違いはありません)

例えば「切削タップ、P0.7以上、STD=OH3」の場合、下記のようになります。
・STD+1=OH4(STDより有効径で0.02mm大きい)
・STD+2=OH5(STDより有効径で0.04mm大きい)

英語ワンポイント /  Chilly

チリー・・・南米の国名?唐辛子の一種?熱い?HOT?いえいえ、むしろ逆です。

ほら、よく聞く冷蔵庫のチルド(chilled)=冷蔵の、よく冷えたと同じ単語chillから来ている言葉。ちなみに寒さを体感する場合だけでなく、いや~な寒気がしたり「落ち着いて(熱を冷ます=落ち着くというイメージ)」というときにも使うようです。

今日はそんな”chilly”の使い方のご紹介。いつものように、けんさん属するOSGメルマガ編集部を覗いてみましょう(笑)

展示会を控えて、何時になく忙しそうなけんさんと仲間たち。メンバーはみんな慌ただしくピリピリムードが漂います。そんな夕方、けんさんがみんなに声をかけます。

けんちゃん
みんなぁ!ちょっと息抜きしようよ!今からご飯でもどう?

忙しくて少し不機嫌そうなさらちゃんは…

さらちゃん
まだ仕事たくさん残ってるんですけどぉー...参考までにご予定のお店くらいは聞いてあげますけどぉー...あ、あくまで参考ですけどぉ…、ぶつぶつ・・・

けんちゃん
寒いから温かい鍋でもどう?ここから歩いて10分くらいの所に新しいお店が出来たんだよね!

間髪入れずに、さらちゃんが、

さらちゃん
“It’s too chilly for 10minute of walking!” この寒空の下、10分も歩くなんて無理!ぜ~ったぁい無理!

それを受けて、けんさんが返します。

けんちゃん
あら!残念。みんな頑張ってるから、せっかくご馳走をしようと思ったのになぁ!いやぁ、残念!残念!ホント残念だわ~!

と、ちょっと顔色が変わったさらちゃん。

さらちゃん
あ、私、もう少しでシゴトオワリソウデシタ!マフラーとテブクロアレバ、10分クライアルケルネ!

けんちゃん
ははは…ゲンキンだなぁ・・・まあ、いいか、じゃあ出かけよう!

と、けんさん。そこで登場!マサコちゃん、

マサコちゃん
けんさん、もっと近くに美味しいお寿司屋さんが有りますよ!

「げっ!」というけんさんの心の声も発する間もなく、

さらちゃん
え?お寿司?いやぁん!お寿司!!!お寿司!お寿司!お寿司!お寿司!
お寿司食べたい!お寿司食べたい!お寿司食べた~い!アナゴ!アナゴ!アナゴ!
イクラ!イクラ!イクラ!あ~っ、中トロ食べたい!中トロ食べたい!中トロ食べた~い!
あっ、ヒカリモノも~っ!

と大合唱が…
さっきまで寒い、嫌だと言っていたのはどこへやら...こうなるともう止まりませんネ。

けんちゃん
“Oh, I’m feeling chill all the sudden… You two! Let’s chill out for a moment!”
ああ、急に寒気がしてきた… そこの二人!ちょっと落ち着こうか!

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