メールマガジン
2016年5月号 (第125号)
新入社員が研修にいそしむ季節となりました。
新入社員を見ると、「頑張れよっ!」という気分になります。
新人君が無事に営業としてお客様の役に立つように、
一緒に頑張らなければいけない新人トレーナーの鳩田です。
さて、今回はコミュニケーションダイヤルで質問の多い、管用ねじのお話です。
早速、今回も過去にあった質問を勉強のために新人君に解いてもらいましょう!
お客様の内容:条件を出すためにPT1/8のタップの外径が知りたい。
新人君「??これは、1インチの1/8の値ですよね?何に困っているんでしょう?」
鳩田「おそらく、タップの現物を見て、タップ外径が1/8インチより大きいから困っているんだよ。」
新人君「え???1/8より大きい?」
管用タップの呼び径は、太さをインチ、ピッチを1インチの中の山数で表します。
例えば、1/8-28といった形で表します。
ピッチは、1インチ=25.4mmの間にある山数で確認が出来ます。
28山=25.4÷28=0.907142mmが1ピッチの距離になります。
確かに管用タップの呼びの1/8は、現物を見ると細いようには見えないのです。
1/8では、インチでは25.4mmの1/8は3.1755mmのはず……。
なぜ?恐らく、新人君はここがわからないのでしょう。
実は、これには背景があります。パイプの規格には進化の歴史が隠れているのです。
そして、新人君のその疑問は正しい反応です。
昔のパイプは現在のようなパイプと違い、非常に肉厚なものだったようです。
その後、技術の進化で、より薄い肉厚でも対応することができるようになりました。
合わせて、薄い肉厚に沿ってJISが改定されました。
ということで、今現在6.5mm の1/8PT用のパイプ(6A)の内径は、
実はその昔、3.175mm(1/8インチ)だったのです。
でもねじの呼びは、混乱しないようにそのまま継承されたとのことです。
その経緯はわからないとしても、新人君はJISハンドブックのPTの基準径の値を見て
呼びの値と現物のサイズが違うという事に気づくかな?
気づかないだろうなぁ。自分も教わるまで気づかなかったから……。
タップの外径は、タップの切削速度を計算するために必要になります。
ですので、間違って、昔の外径で計算してしまわないように注意が必要です!
皆さんが今後、困らないように、一覧表を載せますので、参考にしてくださいね♪
紛らわしい数字がたくさんありますが
本当に必要な数字は何なのかを確認する必要がありますね!
新人君にいつまでも教えないのもかわいそうなので、そろそろ種明かし!
管用ねじの規格の経緯を教えてあげました。
新人君「昔のパイプは肉厚で、さぞ重たかったのでしょうね。」
鳩田「今のパイプもいつかは重いと言われるかもね。」
謹啓、万葉の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。OSGの窓際の自由人、K爺でございます。このコーナーでは、モノづくりを取り巻く様々な知見とともに、OSGのイチオシ工具を紹介して参ります。皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。
さて先月は大阪でインターモールドが開催されました。出かけられた方も多かったことと存じます。ということで、今月はエンドミルのイチオシ、高能率加工用のPHSシリーズ全3タイプでございます。
その前に、まずはざっくりと、ねじれ角の強弱の効能を確認したいと存じます。簡単にまとめると以下のようになります。
ねじれ角 | 主な用途 | |
弱 | 0~15° | キー溝等精度が求められる溝加工用や、複雑な刃形状へ追加工 |
中 | 30° | 汎用 |
強 | 36~50° | 切削抵抗の大きい難削材や重切削等の高能率加工用 |
一般的にねじれ角の小さいエンドミルは、溝加工時に倒れを抑制し易く、キー溝加工用などに採用されます。(当社の場合、ハイスのキー溝用エンドミルは15度、超硬には30度を採用)またねじれ角が0°のエンドミルは、形状の追加工が容易ですから、特殊な形状へ追加修正される場合に採用されることが多いエンドミルでございます。
強ねじれのエンドミルは、切れ刃の最大接触長さが小さくなる為、切削抵抗が小さく、切削抵抗の大きい難削材や重切削等の高能率な加工用エンドミルに採用されることが多いのでございます。<参考資料はこちら>
また一般的なエンドミル(汎用の2枚刃、多刃)は30度ねじれのモノが多く、切削のバランスやエンドミルそのものの生産性の良さから一般的なねじれ角となっていると推察致しますが、溝加工時の倒れを考えると実は微妙な設定なのでございます。<参考資料はこちら>
ねじれ角の違いによる用途の確認が済んだところで、今月のイチオシでございます。まずはWX-PHSシリーズ、ねじれ角45度の一般鋼材の重切削に最適なエンドミルです。ショート刃よりも短い刃長のPHSSタイプの他、ミディアム刃長のPHN、ロング刃長のPHL、その他コーナR付、都合159アイテムを揃え、選択肢の多いラインナップでございます。
続きましてはUP-PHS。等リード、等分割でありながら防振効果を実現したエンドミルでございます。先述のWX-PHSシリーズをお使いの際、振動が発生してしまう場合にお試し頂きたいエンドミルでございます。
最後はNEO-エンドミルシリーズ。こちらは不等分割、不等リードタイプでございます。従来のような、底刃の分割や溝のねじれが一定であると、どうしても加工中に定期的な振動を誘発し易くなりますが、こちらはそこを回避したシリーズで、4枚刃の他、6枚の多刃、コーナR付と全91アイテムのラインナップを用意しております。
以上3タイプのPHSシリーズを紹介させて頂きましたが、その使い分けを以下にまとめます。
シリーズ | 用途 |
WX-PHSシリーズ | 一般鋼材の高能率加工。等分割、等リードで再研磨も容易。 |
UP-PHSシリーズ | 防振効果が求められる加工用。 |
NEOシリーズ | 防振効果が高く、難削材の高能率加工向き。 |
なお、これら強ねじれエンドミルご使用時には背分力が大きく発生します。ワーク剛性、ワーククランプ、エンドミルの保持が不十分ですとその効能が得られませんので、汎用エンドミル使用時以上にご配慮頂きたく存じます。
皆さまの夢をカタチに、本稿が皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。
謹言
とある日のことです。マサコちゃんからさらちゃんに声がかかりました。
マサコちゃん:
あのねサラちゃん、このエクセルなんだけど、ど~やってもVLOOKUPができないの。なんで??
さらちゃん:
マサコちゃん、それ急ぐ?ちょっと立て込んでて今日は厳しんだけど明日でも大丈夫?
忙しいのか少々?そっけない態度のさらちゃん。
マサコちゃん:
実はこれ、今日中に完成させなきゃいけないの!なんとか、見てもらえないかな?
さらちゃん:
うーん、あたしもこの資料明日までで……
マサコちゃん:
そこをなんとか!さらちゃんが大好きなチョコレートつけるから!
限定発売のホワイトチョコも!これでどう??
『deal?(交渉成立?)』
さらちゃん:
ホワイトチョコも?ほんとに!?よし乗った!
『deal!(交渉成立!)』
けんちゃん:
さらちゃん、そんなにチョコ食べたら太るよ。
チョコレートはさておき、また「deal」って言ったよね。
『What kind of meaning(どんな意味)?』
さらちゃん:
「deal」にはいくつか意味があります。先月にもご紹介した使い方も一例です。
「deal」を辞書で調べると、「取引」というちょっと仰々しい訳が出てきますが、
日常生活の中では『(その話に)のる?のらない?』というようなやりとり(取引、かけひき、交渉)の際にも、使われます。
『deal?』と語尾を上げることで『どう、(この条件に)のる?』と質問し、OKだったら『deal!』と語尾を下げることで交渉成立!
アメリカではその後にshake hands(握手をする)というのが定番です。
けんちゃん:
断る場合はどんな返答なの?
マサコちゃん:
チョコレート(笑)が足りない場合の決まり文句がコレです。
『I can't deal with it right now!(それ、今、対応できないよ!)』
さらちゃん:
この言葉、「it」を「you」に変えると『今は、アナタ(の問題)に付き合ってられないの!』という風になります。
間違っても「you」を使う場合にはそのあとに来るであろう修羅場を考えての上で、発言をしてくださいね♪
けんちゃん:
えっ、さらちゃん、この前校正をお願いした時、『I can't deal with you』と呟いていたような……
さらちゃん:
……けんさんチョコ食べる?