メールマガジン
2015年4月号 (第112号)
皆様のお近くで咲いている桜は、どんな具合ですか?
七部咲き?満開?それとも・・残念ながら既に葉桜?
筆者の住む街には”桜トンネル”と呼ばれるお花見スポットが有り、夜はライトアップもされ、沢山の人で賑わうのですよ~。
筆者はやっぱり花より団子(アルコール)組ですが、あの満開の花びらが風に揺られて舞い散る桜吹雪を見るのが何とも素敵で好きなのです♪皆様はどんな桜がお好きですか?
さて今回の玉手箱は、そんな桜吹雪にちなんで、加工中の切りくず、特に鋳物の切りくずの舞い方(出かた)をご紹介したいと思います。
「鋳物」という材料、耳にされた事、ありますか?
鋳物にはFCから始まる「ねずみ鋳鉄」と、FCDから始まる「ダクタイル鋳鉄」に分けることができます。
両方共に「鋳鉄」という表現がされていますが、実は両者、加工中に出てくる切りくずの形が全く異なるのです!
ねずみ鋳鉄(FC)は、炭素が片状の黒鉛として存在していて、引っ張り強さが小さく伸びにくいのが特徴で、排出される切りくずは細かく、粉々になります。そうです、切りくずの舞う吹雪なのです♪
それに対し、ダクタイル鋳鉄(FCD)は、黒鉛を球状にしてより硬度を持たせ、伸びやすく改良された鋳鉄なのです。ですから切りくずも、ねずみ鋳鉄(FC)のような細かさはなく、どちらかというと鋼に近い伸びた切りくずが排出されます。
両者共に黒鉛が入っているというイメージからも想像して頂けるかと思いますが、加工機械であったり、油であったり、とても汚れてしまうのです。。こればかりは材料の成分ですから、仕方が無いのですけどね。それに炭素が沢山入っていますから、切りくずも硬くて、機械を傷めやすいのも現状です。
切りくずの舞う吹雪なんて表現しましたが、加工されている皆様にとっては苦笑いかもしれませんね。ごめんなさい・・。
この鋳物、摩耗しやすく加工後に少し縮小する傾向がありますから、鋳物専用のタップ「EX-FC-HT」は通常のタップ精度よりも少し大き目の精度設定になっているのです。
桜舞う花吹雪を見つつ、ねずみ鋳鉄(FC)の切りくずを思い出してしまう所がやはり、この業界のどっぷり浸かっている証拠なのでしょうか・・。
それにしても、桜って本当に綺麗ですね♪(ビール片手)
謹啓、麗春の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。OSGの窓際の自由人、K爺でございます。このコーナーでは、モノづくりを取り巻く様々な知見とともに、OSGのイチオシ工具を紹介して参ります。皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。
今年の春討では、多くの企業でベアアップが図れたようでございます。そして、先月号でも触れましたが工作機械の受注は高い水準でございます。すなわち、モノづくりにおける付加価値生産は、増加中もしくは増加させなければならない環境にあると存じます。
さて本号では、先月に引き続きミリング工具、中でも小型の設備でも生産性向上を可能とする、“OSG PHOENIX ヘッド交換式エンドミル PXMシリーズ”を紹介させて頂きます。
最初に、「ヘッド交換式工具はソリッドと同等の切れ味と精度を有しながらも低コスト、インデキサブル工具に対しては精度、切れ味、工具交換の手間で優れる工具である」ということをご確認頂きたく存じます。
その上で、OSG PHOENIX ヘッド交換式エンドミル PXMシリーズでお薦めしたいのは、その『高能率』、特にPXSMタイプ(表1:赤枠部分)でございます。不等分割で多刃のPXSMは、Φ12が6枚刃、Φ16には6枚刃と8枚刃、そしてΦ20以上には10枚刃のラインナップを揃えております。(下の「PXMシリーズ一覧表」をご参照ください)インデキサブルタイプでは、これほどの多刃は設定不能でございます。従いまして、大径カッタの使用出来ない小型のマシニングセンタのミリング加工において、PXSMで高能率加工を実現して頂きたいとお薦めする次第でございます。
次にお薦めしたいのは『仕上げ面』、中荒加工での採用でございます。ソリッドに近い高精度なPXMシリーズを中荒加工にご使用頂きますと、仕上げ加工の取り代がバラツクことなく、安定した仕上げ加工が可能となり、仕上げ用工具の耐久も安定させることに繋がります。
PXMシリーズは、ヘッドタイプで8種類の全98ラインナップを揃えております。用途に応じてお使い分け頂き、貴重な設備の有効活用に寄与出来れば幸甚でございます。
また、一部、今春発売予定であったヘッドタイプ(下表のグレー部分)の発売が遅れておりますことを陳謝申し上げます。
謹言
【Q】TB340 TB6400と言われたがどんな被削材ですか?
【A】TB340とは、2種チタンで、一般的に純チタンのことです。
TB6400とは、60種チタンで別名:Ti-6Al-4Vのことを示します。
被削性が異なるため、工具選定も変わりますのでご注意ください。
<JIS H6450(2001) 参照>