メールマガジン
2015年2月号 (第110号)
今日も寒いですね・・。暦の上では立春も過ぎ、寒さのピークも超えたと言われますが、それでもやっぱり、まだまだ寒いです。この寒さのピークというのは、大寒の最終日である節分のあたりを言うようですね。節分といえば、豆まき。「福は内、鬼は外」と今年も大量に撒かれましたか?年齢の数だけ豆を食べると厄除けになると言われますが、あれって歳をとれば取るほど・・・数えるのも大変だし食べるのももっと大変ですよね~(笑)
豆まきの行事に欠かせないのが、鬼役。地域によって風習は異なるようですが、”鬼”というと、ゴツゴツした棘のついた大きな金棒を振りかざして追いかけてくるイメージ、ありませんか? そこで筆者、ふと思いました。金棒の硬さって・・・どれぐらい硬いのだろう?って。悲しいかな、これも職業病でしょうか(笑) で、調べた結果、初期のものは硬い木を鋲などで補強したものから始まり、それが時代を経て、鉄製の、鋳物製から鍛鉄製へと変わっていったようなのですが、最終的には決してカッチカチの硬い鉄ではなくて、炭素を0~0.1%ほど含む極軟鋼のようです。ちなみに、炭素が多ければ多いほど、硬い材料となるのです。極軟鋼であれば・・・切れ味の良い工具を使えば、穴だって開きますね♪
そこで皆さん、硬さには単位があること、ご存じでしたか?弊社のカタログには、「HRC」というロックウェルCスケールという単位で硬さを表していますが、他にも、ビッカース、ブリネル、ショア等々・・・とあるのです! 例えば、45HRCの硬さの材料を、ビッカース(HV)では446という数字で表しますし、ショア(Hs)では60という数字で表現します。 同じ硬さの表現なのに、単位によって数字がこんなにも違うのですね~
ここに鋼のロックウェルC硬さに対する近似的換算表を掲載しておきますので、一度目を通していただけると何かのお役に立つかも!です。
お客様との会話の中で、又は加工しようとしている材料表示に、聞き慣れない単位や表示があって困ってしまったり焦ってしまったときにはこの換算表でざっくり材料の硬さを確認し、その硬さに対応出来る弊社の工具で加工を進めて頂けたら、筆者はとっても嬉しいのです♪ これであなたも「鬼に金棒」ではありませんか!?
謹啓、向春の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。OSGの窓際の自由人、K爺でございます。このコーナーでは、モノづくりを取り巻く様々な知見とともに、OSGのイチオシ工具を紹介して参ります。皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。
さて、今月は『技術の玉手箱』の話題に因んで、知っていれば『鬼に金棒』の工具、高硬度材加工用タップとドリルの紹介でございます。焼入れ後、加工忘れや穴の縮小、曲がりなどが見つかった場合など、いざ加工せざるを得ないとなると、なかなか骨の折れるお仕事でございます。場合によっては放電加工に頼ることもあろうかと存じます。そこで、今回は40HRC(Hv392)以上を対象に、K爺のイチ押しを紹介させて頂きます。
≪ドリル:WH55-5D,WHO55-5D,WH70-DRL≫
40HRC~55HRCの硬度の穴加工でしたら、WH55-5DまたはWHO55-5Dを、55HRCを超えるようでしたらWH70-DRLがお薦めでございます。WH70-DRLでしたら粉末ハイスの焼入れ材(約69HRC)まで対応可能でございます。とは言え、「大は小を兼ねる」よろしく、より硬いモノに対応するWH70-DRLなら、多少柔らかくても加工出来るであろうとは思わないでくださいまし。爺が申すまでも無く、多少の硬度差により、切りくず形成が変わります故、WH70-DRLでは55HRC以下の被削材では切りくずトラブルを起こしかねないのでございます。ちなみに、WHO55-5DはWH55-5Dの油穴付きタイプでございます。内部給油機構が使用可能で、いっそう工具の耐久が求められる場合はこちらが安心でございます。
≪タップ:WH55-OT,VX-OT≫
タップもドリル同様、硬度に応じて使い分けをお願いしたく存じます。40HRC~55HRCでしたらWH55-OTを、それ以上62HRCでしたらVX-OTをお使い下さいませ。また水溶性油剤をご希望される場合は、受注生産での対応となりますことをご容赦頂きたく存じます。
≪セラミックの加工には≫
ヘリカル加工でのご使用となりますが、セラドリル、セラタップという電着工具を用意しております。
≪更に強靭な高硬度材の加工をお求めの場合には≫
数年前、TVの人気番組で、「絶対に穴のあかない金属 VS 絶対に穴のあくドリル」という対戦に参加したことがございます。「絶対の穴のあかない金属」も、加工ができなければ工業製品に採用されることも無く、こういった挑戦的なところが日々の我々の製品開発に合致しており、日々の開発の一環として参戦したのでございました。あれから数年、実務においてあの時と同じような高硬度材加工の相談はまだございませんが、ご相談頂ければ、仕様をアレンジして対応させて頂くことは可能だと存じます。
ハイス(高速度鋼)が初めて世に出ましたのが1900年のパリ万国博覧会ですから、それから約1世紀。そのハイスを通常の切削加工で削ることも可能な現代、超硬合金も研削では無く、切削で加工することが当たり前になる日も遠くないのかも知れません。そうして、日本のモノづくりの競争力強化と人類の豊かな未来に貢献出来れば幸いでございます。
謹言
とある日の右京クン:
cheat-sheet:だます紙?
???今日届いたあの資料、「Cheat-sheet」と書いてあるけれど・・・
あれ!?Cheat-sheetとはあるまじき・・・!!!
というのも cheat とはやましいときに使う言葉。だます、カンニング・・・・
ちなみにカンニングは和製英語・・・ cheat-sheet を知ってる僕って・・・♪
よく昔悪友が先生に「put your cheat-sheet away!」(カンペはしまいなさい!)って言われて覚えちゃったなあ
あの怖いセンセイはどうしてるかな・・・
そういえば、その悪友、昔、やましいことは何一つないのに
「you were cheating on me!!」(私をだましてたのね!)って言われてたな・・・
あの二人、どうしてるかな・・・?
いやいや、そんなことより、やっぱり職場にcheat-sheetがあるなんて気になる!
内容確認してみよう!!
五十嵐:「右京クン、そんなコソコソ隠れてどうしたの?」
右京:「いや、あの、その・・カンニングしてません・・・!?違う、カンニングシートが!!」
五十嵐:「は??右京クン、あのね、これはcheat-sheetいわゆる虎の巻よ!
学校じゃあるまいし、カンペなんてあるわけないじゃない!
もしかして・・・何か苦い思い出でもあるの?」