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2014年7月号 (第103号)

技術の玉手箱 / 底刃の秘密

 6/13から始まった「2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会」もいよいよ終盤!時差もありますし、寝不足はお肌にも良くないですし、LIVE観戦!は限られる筆者ですが、翌日の世界各国の華麗なスーパープレイに日々魅せられています♪ どの国が優勝しますかね~皆さんの予想は如何に!?

 ところで筆者が幼い頃は、サッカーボールと言えば「キャプテン翼」に出てくる、あの白黒模様のボールでした。しかし、先日スポーツ店に立ち寄った時に目にしたのは・・・あの懐かしい白黒模様ではなく、青であったり黄色であったり赤であったりと鮮やかで、びっくり!

 さて今回は、このボールの形にちなんで、エンドミルの底刃の形をお話ししますね♪
その前に、まず「エンドミル」とは?底と外周に刃を持ち、回転しながら移動することによって加工をする工具です。前後、左右、上下と多種多様な加工が可能な優れもの♪ 超硬のエンドミル、ハイスのエンドミル、コーティングのエンドミル・・・世の中には沢山のエンドミルが存在し、加工の形状に合わせて最適なものを選んで是非お使い下さいね。

 では、そのエンドミルの底の刃の部分をピックアップしてみましょう♪ 底刃の形状は大きく3つに分ける事が出来ます。
   ①サッカーボールのようにボール形状をした「ボールエンドミル」
   ②角が直角90°の「スクエアエンドミル」
   ③コーナにRがついている、「コーナRエンドミル」
となります。③の「コーナRエンドミル」を「ラジアスエンドミル」と表現される方も沢山いらっしゃいますね。

 これらエンドミル、ボールエンドミルは少し置いておいて、スクエア、コーナRの2つの底刃をもう少し詳しくみてみると、実はこの両者達、底刃は真っ平ではなく、約2°程度の中凹になっているの、皆さんご存知でしたか!?
「底刃がついているからそのままZ方向へ加工したのに、真っ平にならないんだよな~」って疑問に思われている方、尋ねられて困っているあなた、そうです、これが答えです!エンドミルは中凹になっているのですよ!!
エンドミルは前後、左右と特に横に動かして加工することが得意な工具です。底刃の部分が真っ平のままだと、横に動かす際にもの凄く抵抗を受けながら加工しなければなりません。そこで、わずかな凹を施してあげるだけで、抵抗をぐっと抑えてあげることが出来るのです。

 「そんな事言われても、そのまま工具をZ方向へ下して真っ平な面を作りたんだよ!」とおっしゃる方・・実は沢山いらっしゃいまして。そんな方には是非、座ぐり用エンドミル「ZDSシリーズ」をご紹介いたします!2枚刃のスクエアエンドミルですが、底刃がほぼフラットになっており、そのままZ方向へ下すと真っ平ら面が出来上がりますよ♪凄いでしょ~!

 この座ぐり用エンドミルのお話は、また別の機会にお話し出来たらと思いますのでお楽しみに。では、今日もサッカーの勝敗を気にしつつ、執筆に励みます♪

‘K爺’のイチオシ商品 / サイレントラフィングエンドミル

 謹啓、向暑の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。OSGの窓際の自由人、K爺でございます。このコーナーでは、モノづくりを取り巻く様々な知見とともに、OSGのイチオシ工具を紹介して参ります。皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。

 『加工時間の短縮』
 前号、前々号と生産性向上に関するイチ押し商品をご紹介させて頂いております。今回も生産性向上をテーマに、エンドミルのイチ押し商品でございます。エンドミルに限らず、加工時間の短縮はユーザ様の最大ニーズかと存じます。特に欧州のユーザ様は加工時間の短縮の探求が顕著で、工具を試用する際、もっとも高能率な条件から試用を始め、切削音、加工面、耐久などを鑑み、下方修正されていくと聞いております。欧州に労働生産性の高い国が多いのも分かる気がいたします。

 『高能率で顧客満足度ほぼ100%のサイレントラフィングエンドミル』
 当社では、ご試用頂いた工具の性能レポートをユーザ様から頂戴しております。そのレポートの内、サイレントラフィングエンドミルは約80件ございます。そちらをグラフ化したものをご覧くださいませ。(【サイレントラフィングのご試用結果グラフ】)
お客様には、「まあまあ」の評価の1社のユーザ様を除き、ご満足頂いていることがお分かり頂けると存じます。また、高送りラジアスを用いて約90分掛かっていた粗加工を、1/9の約10分まで短縮できたという金型メーカ様の事例もカタログの巻末に掲載してございます。合わせて、ご参考にして頂ければ幸いでございます。

さて、高能率加工で時間短縮に貢献出来るサイレントラフィングは、ハイスと超硬のソリッド型、ヘッド交換式(刃先とシャンクが別体)型に、用途に応じてより高能率加工を実現出来るよう、強ねじれタイプと弱ねじれタイプを用意しております。
サイレントラフィングが、皆さまの生産性と日本のモノづくりの競争力強化に貢献出来れば幸いでございます。

謹言

今月のFAQ / 2級ねじと6Hねじのねじ検査

【Q】2級ねじと6Hねじのねじ検査で同じねじゲージを使用しても良いですか?

【A】使えません。6Hと2級は規格が違います。規格が違うということは寸法許容差が異なります。
6Hのねじゲージでは2級のねじを保証出来ません。その逆もしかりです。
必ず6Hは6Hのねじゲージ、2級は2級のねじゲージを使って、ねじの合否判定をしてください。

【You know what to do.  / 任せた!】

you know what to do. ⇒ 何をやるべきかあなたは知っている ⇒ 任せた!

先日、とある映画を見ていました。
それは2台の車を追う数台の車・・・いわゆるカーチェイスってヤツです。
2台の車は連携して何とか追っ手を撒こうとしているところで、交わされた会話です。
「こっちにも追手が!」「you know what to do」「ラジャっ!」そして無事車を巻いて逃走成功・・・
直訳で「どーしたらいいか、わかってるでしょ!」って使うことが多かった中、こんな風にも言うんだな、とカーチェイスを見ながら勉強になったひと時でした。

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