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2014年6月号 (第102号)

技術の玉手箱 / 錆びの有効活用?

 雨ですね・・・。梅雨の時期だと頭ではわかっているものの、薄暗い空にまだ少し肌寒い季節。そんなどんより気分の時には是非、私の玉手箱でちょっぴり気分を晴れにして下さいね♪
とは言っても、錆びやすい季節です。我が工具業界ではこの”錆び”を表面処理の1つとして考え、加工をよりスムーズに、快適にする事が出来るのです!!!びっくりでしょ!?

まず、どうしたら錆びちゃうかと申しますと、錆びは金属の表面で発生するものなのです。気温が高く、おまけに酸素と水が十分あれば簡単に錆びの出来上がりです♪
どうりで梅雨の時期はあちらこちらに錆びが発生するわけですね。 ここで出来上がった”錆び”はいわゆる「赤錆」(Fe₂O₃)と呼ばれますが残念ながら工具の上に乗っけても切削性能に対して有益ではありません・・・。

 逆に同じ錆びは錆でも「黒錆」(Fe₃O₄)。これは実に工具の上に乗っかると美しい青黒色を伴い、その効果を惜しげもなく発揮するのです!勿論、そうは簡単には作れません。専用の水蒸気処理炉にて良好な条件で処理され、出来上がります。この水蒸気処理炉の中での加熱処理を「ホモ処理」と呼んでいます!

 この「ホモ処理」の一番の効果は被削材との溶着、焼き付きを防止することです!多孔質の為、油を保持し、摩擦熱の発生を抑えてくれるのです。ステンレスや鋳鋼、軟鋼といった溶着を起こしやすい被削材に大きな効果があります!「溶着があって困ってるんだよね~」とカタログペラペラめくってお悩みの方がいらしたら、そっと「ホモ処理」の事、教えてあげて下さい。

 しかーし、このホモ処理、何でもかんでも使えば良いって話ではなくて、残念ながらアルミや黄銅など非鉄合金には効果が認められず、逆に性能を落とすこともあるようですから注意が必要なのです!

 赤錆は嫌いですが、黒錆にはお世話になろう!と思う筆者でした。

‘K爺’のイチオシ商品 / Aタップシリーズ

 謹啓、入梅の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。OSGの窓際の自由人、K爺でございます。このコーナーでは、モノづくりを取り巻く様々な知見とともに、OSGのイチオシ工具を紹介して皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。

 『高速タッピング』
 前号で、日本の生産性はOECD加盟の34か国中19位である点に触れました。そして時間あたりの生産量を増やして生産性を高める視点から、高能率ドリル、メガマッスルドリルを紹介させて頂きました。今月号は、タップ加工の高能率化でございます。

 皆さんご存知のように、例えば中炭素鋼の一般的なタップ加工の切削速度は8~13m/minとハイスドリルの30m/minの半分以下であり、タップ加工は他の工具に比べ切削速度が遅いのが一般的でございます。それは、タップ加工に必要な、1回転1ピッチ送りの制御が難しい為でありました。しかし昨今では完全同期送り機構付のマシニングセンタが普及し、タップ加工を低速にしなければならない理由、制約が解消されているケースが増えております。

 そこで第一にお奨めしたいのが高速シンクロタップシリーズでございます。OSGでは被削材や切削速度に応じた各種ラインナップを揃えて参りました。しかしながら、完全同期送り機構付マシニングセンタの普及の割に、高速シンクロタップシリーズの採用はまだまだ少ないように思えます。それは、高速シンクロタップが完全同期送り機構専用という、用途がとても限定された仕様だからかも知れません。

 『OSGの新たな答え』
 そこでOSGでは、幅広い用途に使えるタップとして、昨夏Aタップシリーズを開発、発売いたしました。Aタップシリーズでしたら、一般的条件から、完全同期送り機構付マシニングセンタでの高速タッピングが可能です。幅広い被削材にも対応出来る、かなり万能的な仕様でございます。そして今春、ねじサイズの拡充の他、ロングシャンクやオーバサイズ精度を追加し、フルラインナップ体制となりました。いっそう安心して使用頂けるAタップシリーズでございます。

最後に、Aタップシリーズ、高速シンクロタップシリーズいずれをご利用されるにしても、下穴管理や切りくず処理はもとより、ツーリングにもご配慮頂けたら、いっそう安心して高速タッピングが可能でございます。私どものタップが、日本のモノづくりの競争力強化に貢献出来れば幸いでございます。

謹言

今月のFAQ / 山数表記

【Q】山数表記のタップについてピッチが分からないので送り計算できないが、どうしたらよいですか?

【A】山数表記をピッチ換算できます。
   ちなみに表記方法は UNF 3/8-24 , 3/8 UNF 24 などの使用例もあります。

【break a leg!  / 頑張れ!】

言ってしまえば Good Luck! もしくは成功を祈る!と同じ意味。
もともとの由来としては舞台に出る俳優さんや、ミュージシャンの間で使われていた言葉らしいです。
舞台に出る人たちの中には Good Luck! といわれると悪いことが起きる!という迷信を信じている人もいるらしく、その代りとしてこの言葉が使われるようになったとの説があるようです(諸説あり)。
私が聞いた話では、俳優さんはカーテンコールの時に膝をおって(Break a leg)お辞儀するでしょ?だから膝をおってお辞儀をしてこい!!⇒堂々と最後のお辞儀ができるように頑張ってこい!
ということらしいです。

初めて大学でステージに上がる前に恩師から言われた言葉。
ステージで足を折ってこい!?は???演奏できないじゃん!!!
とただでさえ足が震えているのに・・・とおもい、 What do you mean by that?
と聞き直したのを思い出します。
その時に笑って恩師に言われた言葉。「くれぐれもBreak YOUR leg!といわないように!!」
ということ。 a の代わりに your を使うと「頑張れ!」どころか本気で「足を折ってこい!」になってしまい、それこそ笑うに笑えないアメリカンジョークになるから・・・と。

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