メールマガジン
2025年6月号 (第231号)

「反抗期の娘にひっかかれてほっぺに3本もミミズ腫れが……」
「大事なハンコが見つからなくて家じゅうシラミつぶしに探し回った……」
「虫」を用いた表現ってふだんの会話の中でもよく使われますよね。
さて切削加工の分野においても「虫」が登場するシーンがあります。
その一例が「あり溝」です。
「あり」とはあの「蟻」のことです。大きな頭のわりに首がきゅっとくびれたその形のイメージからきているのでしょう。溝幅が口元よりも内部の方が広い、ちょっと変わった形をしています。ただし蟻の頭のように丸というわけではなく、ハの字に広がり、角に小さな丸みのついた台形といったほうが分かりやすいでしょう(語源については諸説あるようで、蟻の巣のように奥が広いから、という考え方もあり)。
非常に変わったこの溝形状ですが、よく知られた用途として産業用シール材のO(オー)リング装着のための溝があります。
Oリングとは、断面がアルファベットのO(オー)形をしたゴム製のシールが輪っか状になったものです。複数のパーツを組み合わせる境界部にあらかじめ「凹み=溝」を設けておき、そこにはめ込んで使います。
ゴムは皆さんご存知の通り、ぷよぷよと弾力性に富んでいます。境界部で押し付けられてつぶれることで接地面が広がり、内容物(液体やグリスなど)の漏れを防ぎつつ、外部からの異物侵入も遮断して密封効果を得るしくみです(JISB2401ほか詳細規定あり)。外したシャワーや洗濯機の給水ホースに付いている黒い輪っかもその一種です。
産業分野においては油圧・空圧機器、自動車部品、液晶・半導体製造装置など幅広く普及しており、近年はより過酷な高温・高圧環境下や、薬品への耐性を高めた高機能化ニーズも高まっています。
なお、「あり溝」は口元の方が幅が狭いため、90°で垂直に四角く掘り込まれた一般的な角型の溝と比べるとOリングの装着は少しやりにくくなります。ですが、一度セットしてしまえば簡単には脱落しにくいという大きなメリットが得られます。
実はこの「あり溝」、使われているのは金属部品での密封用途だけではありません。釘や金具を使わずに強度と高い耐久性が得られる木材の接合方法として、建築物や家具などで古くから用いられている伝統技法です。先述のOリングのように別のゴム部品を装着するのではなく、木材同士でジグソーパズルのように凹凸がピッタリはめ合うように用いられます。
「あり溝」の加工には専用工具が使われることが一般的です。当然ながらその形状は刃先が広く刃元にかけて細くなるよう傾斜のついた「頭でっかち」な台形をしています。単に「あり溝カッタ」と呼ばれることも多いですが、「ダブテールカッタ」という呼称も使われています。ダブテールとはdovetail、すなわち 「鳩の尾」の意です。
誰が名付けたのか、なんだかユニークですね。もっと他にはいないかな?……身の回りの“生きもの探し”をしてみても面白そう!
当社ではこうした特殊用途向けのツールについても様々なご提案が可能です。ぜひお気軽にご相談ください!

謹啓、入梅の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
わたくしごとで恐縮でございますが、先日、また一つ、健やかに歳を重ねてしまいました。K爺を名乗り10年を数え、もはやK老爺でございます(^^;
長いことお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
さて、今月のイチオシは「唯一無二を迅速に」をテーマにした、受注生産対応ブランドQ3でございます。
1. Quick【速さ】:お客様のご要望に最適な工具を早く
2. Quest【追及】:たとえ1本からでも最適な仕様で設計、製作
3. Quality【品質】:確かな技術力で、高品質
Q3ブランドは、上記3つのQを具現化する製品でございます。
お客様の加工に適した専用の特殊仕様の工具を、必要最小限の数量で、そして短納期でお納めする、OSGグループの総力を上げたブランドでございます。
超硬あり溝カッタや超硬の多段付ドリルなどの特殊形状、生産性向上の為の多刃仕様、工程削減を目指す複合工具など、様々なご要望にお応えいたします。
以下、その製作可能範囲でございます。
◆製作可能刃径
超硬エンドミル | Φ0.1~Φ35 |
超硬ドリル | Φ0.2~Φ20 |
超硬リーマ | Φ0.1~Φ35 コーティング後の刃径精度は最小3μmまで対応 |
◆その他、超硬Tスロットカッタや総型カッタなど、お気軽にお問い合わせください。
超硬母材、コーティングは数十種類の中から、最適なモノを選定いたします。
標準品では物足りない。しかし、専用に特殊仕様のモノを用意するには数がまとまらないし、納期もそんなには待てない。そんな時、お気軽にQ3をご用命頂ければと存じます。
皆さまのSDGsな課題解決として、また、お仕事の付加価値や生産性の向上に貢献できれば幸いでございます。
本稿も、皆さまのSDGsな課題解決として、また、お仕事の付加価値や生産性の向上に貢献できれば幸いでございます。
謹言

OSG月刊メールマガジン「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。
今回、ご紹介するお土産は、グループ会社である株式会社クリエイトツールの松本より推薦の茶山饅頭総本舗谷口屋「茶山饅頭」です。
推薦コメント:
広島県福山市神辺の名物「茶山饅頭」を紹介します。
谷口屋は慶応元年創業の老舗和菓子屋さんです。
「茶山饅頭」は谷口屋4代目店主が、福山市神辺出身の儒学者「菅 茶山(かん ちゃざん)」の5代目子息と幼馴染であったことをきっかけに、菅茶山をイメージして作ったお饅頭です。
抹茶を練りこんだ皮に白い餡子が入っていて、抹茶のホロ苦さと餡子の甘さの具合がちょうど良いお菓子です。
これが実に美味しくて、お土産でなく自分で食べるために買うこと度々です。
7代目店主は私の同級生で、昔はよく近所の川沿いの土手などでサバイバルゲームを楽しんでいました。
茶山饅頭総本舗 谷口屋
〒720-2123 広島県福山市神辺町川北641
営業時間:午前9時~午後6時
クリエイトツールは広島県府中市に本社を構え、2015年にオーエスジー株式会社のグループ会社となりました。
現在、従業員数は約30 名で、オーダーメイド工具の専門メーカーとしてお客様のニーズに合った高性能な工具をお届けしています。ご要望に応じて1本から、素材を在庫することで短納期での対応可能です。EV・半導体・医療パーツなど精度と信頼性が求められる業界のリクエストにもお応えしています。
松本は「Quick(速さ)」×「Quest(追求)」×「Quality(品質)」の3つのQを揃えたオーダーメード工具Q3事業部(超硬特殊工具)の窓口を担当しています。
趣味は筋トレ!お腹以外は自信あり!!
ここ3年でゴルフにはまって、月に1回はラウンドしているとのことです。
皆様からの、お声がけを楽しみにしています。