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2025年4月号 (第229号)

技術の玉手箱 /  工具材料、実はいろいろありまして……

私たちにとって炊き立ての白いご飯をいただけることはこの上ない幸せですよね。
(そもそも主食のはずなのに最近ではどんどん高級食材になりつつあり……泣)

さて、そのご飯を食べる時のお茶碗ってどんな素材でできているでしょうか?

ご家庭だと陶器製が多いでしょう。一方お子さま向けや学校や職場の食堂だとプラスチック製もありますね。アウトドア派ならステンレスやチタン製シェラカップとか……。

単にご飯を収める、という機能だけでなく、そこへよりおいしく感じさせるぬくもりや割れにくさ、携帯しやすさ、保温力の高さ、洗いやすさなどを使い手のニーズに応えて付加した様々な選択肢があるといえます。

切削工具も同様に、加工内容・目的に応じたいろいろな素材(=いわゆる工具材料)が用意されています。今号ではその工具材料の代表例を見てみましょう。

超硬合金

WC(トイレじゃありませんよ!)「タングステン(元素記号:W)カーバイド(Carbide:炭化物)」を主体にした材料で、今やエンドミルやドリルなど工具材料の中心的存在として広く普及しています。従来の主材料であったハイスと比べて非常に硬く、摩耗しにくく、熱にも強い特性を備えています。そのため、一般鋼や非鉄の高速加工、60HRC超えの高硬度鋼加工など、より過酷な環境においても安定した性能が得られます。ただし、硬い分、ワーク保持や機械精度が不安定で、振動を伴う加工環境では欠けやすいため注意が必要です。

ハイス

高速度工具鋼=High Speed Steelの略称で、HSS(JIS規格ではSKH:Steel Kougu High-speed)と表記されます。超硬に代わられるまでは切削工具材料としての代表格でしたが、汎用的な用途向けとして現在もまだまだ使われています。特にタップは、1回転につきねじのピッチ分進まなくてならない超高送りの使用環境になるため、現在も主流の材料です。なお、成分や組成を吟味し、より摩耗しにくい粉末ハイスというグレードアップ版もあります。

PCD

多結晶ダイヤPCD(Poly-Crystalline Diamond)の略で、小さな結晶がたくさん集まった構造をしています。切れ刃の向きが多方向に備わっているため、加工時に生じるあらゆる方向からの力に応じやすく、割れたり剥離したりしにくい、コシが強いというメリットを備えています。半導体需要で高まっているセラミックスなど脆性材加工用として活用されています。

電着

DIAやCBNの細かな砥粒をつなぎ役のバインダーで固めて台金に付着させた構造で、脆性材加工に向きます。PCD工具と比べると設計仕様は相対的にラフになりますが、安価で使い勝手に優れます。

単結晶DIA

一つの結晶のかたまりからなる構造をしており、結晶の向きに沿って割れた時にできた切り口がそのまままるごと一つの切れ刃として機能します。とても鋭利な切れ味を最大限生かせるため、非鉄・樹脂などの加工面をピカピカに仕上げる、いわゆる「鏡面加工」に適しています。

工具素材の代表例

工具素材の代表例

K爺のイチオシ /  単結晶ダイヤモンドアキュシリーズ

謹啓、春暖の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

今月、オーエスジーはちょっと異色な展示会に参加いたします。その展示会の名は「OPTICS PHOTONICS International Exhibition 2025」。

レーザーEXPO、レンジ設計・製造展示、ポジショニングEXPO、宇宙・天文光学EXPO、光源・光学素子EXPOなどで構成された展示会。JIMTOFやMECTとは異色な展示会でございます。

そんな訳で今月のイチオシは、当社のグループ会社、オーエスジーダイヤモンドツール株式会社のマイクロダイヤモンド事業部から「アキュシリーズ」でございます。

「アキュシリーズ」は、自動車のヘッドアップディスプレイ金型やペスレンズ金型、マイクロレンズアレイ、回折格子など幅広くご利用頂いている、超精密加工に適したシリーズでございます。全13シリーズあるラインナップから、今月は、まず3シリーズお届けしたいと存じます。

アキュボール

1つめは「アキュボール」でございます。非球面レンズ金型、レンズアレイ金型、マイクロニードル、ナノインプリント、μ-TAS他の加工用に開発され、Ni-P、硬脆性材、非鉄金属、樹脂、難削材、超硬等を対象被削材に掲げております。

「アキュボール」は、1/4円弧の切れ刃を持つ単結晶ダイヤモンド1枚刃ボールエンドミルで、製作可能範囲は最小半径10μmから最大半径2.5mmまででございます。Rサイズが20μm以上では円弧頂部から90°位置まで切れ刃を有し、20μm未満では75°までの切れ刃となってございます。

アキュボール-α

2つめは、新製品「アキュボール-α(アルファ)」でございます。

先述のアキュボールとは異なる結晶方位を切れ刃とした、高寿命タイプの単結晶ダイヤモンド1枚刃ボールエンドミルとなってございます。

アキュボール数本分を要した加工が、「アキュボール-α」に置き換えたところ1本で加工が完了したという事例も報告されております。工具の長寿命化や、複数の工具を用いての加工品位のバラツキが課題となるような場合にご検討頂きたいシリーズでございます。

製作可能範囲は、半径50μm以上0.7mm以下でございます。

アキュボール-ナノ

3つめは「アキュボール-ナノ」でございます。

「アキュボール-ナノ」は、輪郭精度100nm以下の超高精度な単結晶ダイヤモンド1枚刃ボールエンドミルでございます。製作可能範囲は、半径30μm以上0.1mm以下、とにかく高精度を要す時にご用命頂けたらと存じます。

以上、単結晶ダイヤモンドボールエンドミルの中から、汎用的なシリーズの「アキュボール」、長寿命タイプの「アキュボール-α(アルファ)」、超高精度用の「アキュボール-ナノ」をご紹介させて頂きました。

超精密加工に適したアキュシリーズには、これらのボールエンドミルシリーズ以外にスクエア、ラジアスエンドミル、ドリル、バイト等もご用意してございます。超精密加工の際には、お気軽にお声がけ頂ければと存じます。

なお、アキュシリーズは、お客様の高いニーズに高品質で対応する為、完全受注生産となっております。詳細については当社営業までお問い合わせくださいませ。

本稿も、皆さまのSDGsな課題解決として、また、お仕事の付加価値や生産性の向上に貢献できれば幸いでございます。

謹言

OSGお土産100選 /  元祖 鯱もなか

OSG月刊メールマガジン「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。

今回、ご紹介するお土産は、名古屋営業所の直井より推薦の「元祖 鯱もなか」です。

推薦コメント:
今回ご紹介するお土産は、名古屋にある明治四十年創業の老舗、元祖鯱もなか本店の「元祖 鯱もなか」です!

「ぴよりん」はご存じの方も多いかと思いますが、今回は名古屋の歴史ある銘菓「元祖 鯱もなか」をご紹介します。

このお菓子は、名古屋城の象徴である金の鯱をかたどった最中で、1921年に販売が開始されました。100年以上の歴史を持つ老舗の逸品であり、藤井聡太さんが対局前に食べる「勝負お菓子」としても知られています。私も大事な商談の前に食べてみたいと思っています。

味わいは上品な甘さで、世代を問わず好まれる優しい風味が特徴です。外側の最中はサクッと軽やかで、中にはなめらかなあんこがたっぷり詰まっています。

本店は名古屋営業所から車で10分ほどの大須商店街の近くにありますが、名古屋駅でも購入できます。名古屋にお越しの際は、ぜひお土産にいかがでしょうか。


元祖鯱もなか本店公式サイト:https://shachimonaka.com/

皆さん、はじめまして!名古屋営業所の直井です。

私は岐阜県高山市の出身で、高校までは野球に夢中でしたが、大学からは一転して軽音サークルに入り、ギターやベースを弾いたり、映画を観たりするのが大好きになりました。社会人になった今も、音楽や映画を楽しんで、リフレッシュしています。

入社してからは、想像以上に忙しい日々を過ごしていますが、所長をはじめ、先輩方やアシスタントの皆さん、技術・工場・本社の方々の支えがあり、充実した毎日を送っています。

今後もやりがいを感じながら、皆さんと協力し、より良い仕事ができるよう努力していきます。どうぞよろしくお願いいたします!

名古屋営業所一同(後列中央が直井)

名古屋営業所一同(後列中央が直井)

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