メールマガジン
2023年11月号 (第212号)
「樹脂」と聞いてどんなイメージが浮かびますか?
もともとは文字通り「樹木から採れる脂(あぶら)」ということで松ヤニとか漆など、植物由来のものを指していたようです。現在では石油・石炭などを由来とした合成樹脂、いわゆる「プラスチック」全般を指すことが多くなりました。
軽くて、カラフルで、デザインも自由、リサイクルもできて、しかも錆びない……木・鉄・石など他の材料には無い様々なメリットを背景に、産業分野をはじめ日常生活にまで普及しています。今や私たちの暮らしに欠かせない存在であることは間違いありません。
さて樹脂製品の作り方としてよく知られているのは「成型」という方法です。あらかじめ所定の形に削り出した金型に、原料を加熱してドロドロに溶かして流し込んだ後、固めて取り出すというものです。同じ形の製品を、大量に効率よく生産できるため幅広く採用されています。
一方、成型自体が物理的に難しい複雑な形状だったり、試作などの小ロット生産、あるいは溶かせない材料を使用する場合(溶けた時の流動性が悪く型に流せない、溶かすことで高機能性が失われてしまう材料等)などには直に削り出す「切削」という方法がとられます。すなわちドリル・タップ・エンドミル・カッタ等おなじみの工具の出番です!
樹脂はふだんから親しみがある反面、いざ「被削材」となると注意すべき特性がたくさんあります。ざっと挙げてみると、
・熱による変形が起きやすい
・材料が溶けて刃に溶着しやすい
・バリ(ささくれ・めくれ)が発生しやすい
・切りくず詰まりやからみつきが起きやすい
・歪みやすいためがっちりした固定ができず、加工中にズレてしまう
う~ん、意外と手ごわそうですね……。
ですから切削工具を選ぶ際は以下のポイントを意識しましょう。
①切れ味を重視した仕様(強いすくい角を持つ鋭利な刃)
②切りくずを排出しやすい仕様(広い溝=チップポケットの確保)
③溶着しにくい仕様(滑りの良いコーティング)
鉄系の加工では現在コーティング付き工具が主流となっていますが、樹脂加工にはあえてコーティングの無い工具もよく使われます。これは切れ刃にコーティング膜が載ることでせっかくのシャープな刃先が丸まってしまい、切れ味が損なわれるのを避けるという考えからです。よってコーティング付きを選ぶ場合もなるべく薄膜(=DLC等)の方が有利といえます。もし適したラインナップが見つからない場合は、銅やアルミ向けのいわゆる「非鉄用」工具を選択するのも手です。
なお近年は繊維を織り込むことで割れにくく、強度を向上させた「複合材FRP」や耐熱性を格段に向上させた「エンジニアリングプラスチック」など従来の樹脂の特性イメージとは全く異なるものも広まっており、専用設計された工具が用意されている場合もあります。用途に応じて有効にご活用下さい。
謹啓、向寒の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
一月は行く、二月は逃げる、三月は去る……などと言っていたことが遠い昔のようで、今年も残すところ2カ月を切りました。光陰矢の如し、さっそく本題に入りたいと存じます。
今月は、玉手箱に書かれていたプラスチックを加工するエンドミルのイチオシを検証してみようと思います。玉手箱では、汎用的なプラスチック、繊維を織り込んだ複合材FRP、耐熱性を向上させたエンジニアリングプラスチックと、大きく3種類のプラスチックに触れていました。まずは、汎用的なプラスチックから参りましょう。
玉手箱では、加工用工具の選定ポイントを以下のように掲げていました。
①切れ味を重視した仕様(強いすくい角を持つ鋭利な刃)
②切りくずを排出しやすい仕様(広い溝=チップポケットの確保)
③溶着し難い仕様(滑りが良く、刃先のシャープさを損なわない薄膜コーティング)
これらの要件を満たすオーエスジーのエンドミルは?
ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカ、ジャン!
非鉄用DLCエンドミルの中から、AE-TS-N・AE-TL-Nシリーズが該当します!非鉄加工に適した標準仕様で、その特徴をカタログから抜粋しますと、
①剛性と切れ味を両立した刃先仕様
②剛性と切りくず排出性を両立した新溝フォーム
③加工面品位を考慮したDLC-SUPER HARDコーティング(膜厚0.2μm)
と、見事に玉手箱の選定ポイントに合致するのでございます。ということで、樹脂のエンドミル加工において真っ先に頭に浮かべて頂きたいイチオシが、AE-TS-N・AE-TL-Nシリーズなのでございます。
続きまして、繊維を織り込んだ複合材FRP(Fiber Reinforced Plastic)について。このFRPには、カーボン繊維(Carbon Fiber)の入ったCFRP、ガラス繊維(Glass Fiber)の入ったGFRPなどがございますが、柔らかいプラスチックの中に切り難い繊維があることで、切削加工中に様々な品質問題が生じ易い、とても難しい被削材と言えます。どう難しいのか?以下はCFRPに関する過去の玉手箱でございますが、参照くださいませ。
2010年1月号 (第52号)技術の玉手箱 / CFRP(炭素繊維強化プラスチック)
上記の玉手箱でも紹介しておりましたが、オーエスジーでは、こうした問題の発生を抑えるべく、特にご相談の多かったCFRP加工用に開発したラインナップをCOMPOSITE SOLUTIONS複合材加工用工具というカタログにまとめてございます。CFRP材の加工の際には、ぜひ本カタログを開いて頂けばと存じます。
最後にエンジニアリングプラスチック。略してエンプラと呼ばれたりしますが、このエンジニアリングプラスチックは強度と耐熱性に優れ、金属とプラスチックの中間の性質を持つとも言われるプラスチックでございます。最近では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のように、より強度の高いスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)も台頭しております。スーパーエンプラは、軽量でも機械的強度の求められる部品に使われ、金属部品の代用にもなり得るプラスチックでございます。そんなプラスチックでございますから、加工においては汎用的なプラスチックよりも刃先強度が求められるものと推察いたします。では、このスーパーエンプラ加工用のイチオシは?
ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカ、ジャン!
申し訳ございませんm(__)m
小爺としましては、非鉄用DLCエンドミルの厚膜タイプDLC-IGUSSコーティング(膜厚0.8μm)を施したAE-VTS-N・AE-VTFE-N・PXALが適すのではないだろうか?と推察するもの、充分なエビデンスがございません。当社のエンジニアに確認したところ、今現在、スーパーエンプラの加工に関しては特殊品で対応していることが多いとのことでございました。スーパーエンプラ加工でお困りの際は、当社営業またはホームページで、お気軽にご相談頂ければと存じます。
本稿も、皆さまのお仕事の付加価値や生産性の向上、SDGsな課題解決として貢献できれば幸いでございます。
謹言
OSG月刊メールマガジン201号からの新企画「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。
今回、ご紹介するお土産は静岡営業所村上より推薦の「安倍川もち」です。
推薦コメント:
静岡県にお越しの際にたべていただきたいお土産は「やまだいち 安倍川もち」です!
静岡銘菓と言ったら安倍川もち。400年前、徳川家康が献上された餅を「安倍川もち」と命名してから、安倍川もちは静岡の名物として長年愛されてきました。
しかし、戦時中には物資の入手が困難になり、一度は途絶えてしまったようです。そのような中、安倍川もちを静岡駅売りとして戦後はじめて復活させたのが「やまだいち」さんでした。
静岡営業所に配属となったときに静岡駅で購入し、ハマりました!香ばしいきなこと甘すぎないこしあんに包まれたもちもちの安倍川もちは、何個でも食べることが出来ます!食べきりサイズの小パックの販売もあり、個包装になっているため、お土産として持ち帰りやすく、食べやすいのが特徴です!
村上は2023年に入社した1年目のピチピチ新卒営業社員です。「太ってしまってスーツもピチピチです(笑)」とのこと。
小学3年生から大学卒業まで野球に打ち込み、野球一筋の学生生活を過ごし、「野球で鍛えた精神力と忍耐力を武器に頑張ります!」と意気込みを語ってくれました。「今はわからないことだらけですが、静岡営業所の先輩を目標に、たくさん経験を積んで成長し、チーム静岡の一員として信頼される営業社員になれるように頑張っていきます。」と1年目の抱負を語っています。
阿部川もちのやまだいち