メールマガジン
2023年2月号 (第206号)
今月号の玉手箱は面取り加工の中の「裏面取り」についてとりあげてみたいと思います。「面取り」は金属加工における図面指示としてはとてもポピュラーなものです。
・玩具やスイッチ類など、手に触れた時に製品の鋭利な角でケガをしないため
・デザイン的にカッコよく仕上げるため
・穴と軸やナットとボルトなど組み立て時にスムーズにはまりあう(挿入できるようにする)ため
などなど目的に応じてありとあらゆる工業製品に施されています。
そういえば工業製品だけでなく、料理の世界でも煮崩れを防いで美しく仕上げるためにダイコンやカボチャの下処理に「面取り」が用いられますね。私たちは普段からこの「面取り」の恩恵をたくさん受けながら暮らしているといえそうですね。
さて、ひと言に「面取り」といっても下図のように様々な種類があります。
この中で「裏面取り」は他の面取りと異なる大きな特徴があります。加工すべき箇所は表面側からはまったく見ることのできない加工物の裏面側に位置しています。そのため、加工する際には表側から挿し入れた工具を、裏面側に回り込ませて加工しなくてはなりません。見えない箇所を狙い通りに正確に加工しなくてはならず、とてもハイレベルな加工技術ともいえます。
そもそも加工物をひっくり返して加工できるならば、裏面取りでなく単純な表面側からの面取り加工として対処できます。しかし、加工物形状や大きさの事情、機械のクランプ環境の制約などにより、それができない場合もあります。こうした際に、裏面取りの手法が用いられます。
こちらは当社で展開している裏面取り用工具です。刃径よりも細い径の首部を設けた形状になっています。これは、壁状になった加工物の側面にぶつからないようかわしながら、あるいは穴を潜り抜けたその先にある加工箇所を的確に狙うことができる仕様です。
表面取りと裏面取りが兼用可能なタイプの工具もありますが、兼用タイプを使うと加工面がきれいに仕上がりにくいことがあります。兼用タイプは右刃右ねじれの仕様が多いため、裏面取り加工時に切れ味を活かしにくい「ネガ切削」となることが原因の一つです。「ネガ切削」とはスプーンを伏せたままカップのアイスクリームをすくうようなイメージです。切れ刃が加工物にスムーズに切り込みにくいため、加工面がむしれやすくなってしまう傾向があります。裏面取り専用タイプの場合、右刃左ねじれの仕様にすることで確実に切れ味を活かし、良好な仕上りを確保することができます。裏面取りで加工面の仕上がりを求める場合は、専用工具の採用をご検討いただければと思います。
技術の玉手箱は無料WEBセミナー「ランチタイムセミナー」で、より詳細な情報を加えて講師が解説します。今回の内容は2月22日(水)12:20~12:35にお届けします。お申し込みは下記からお願いいたします。
ランチタイムセミナーのお申込みはこちらから。
謹啓、梅花の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。一月は行く、二月は逃げる、三月は去る……ということで、時を大切に、与太話は一切なく本題に入りたく存じます。今月のイチオシは『 ハイプロ面取り工具シリーズ』でございます。
ハイプロ面取り工具シリーズには、面取り用超硬エンドミル、面取り用超硬Qボールエンドミル、裏面取り用超硬エンドミル、コーティング付き3枚刃カウンターシンクの4シリーズを取り揃えてございます。それぞれ、その詳細を確認して参りましょう。
穴面取りや隅面取り用の、半角45°の、汎用的な面取り用超硬エンドミルでございます。3枚刃の、アルミニウム合金、銅合金、耐熱合金、ステンレス鋼用の『ポジタイプP』と、鋳鉄、炭素鋼や合金鋼等用の『ネガタイプN』を、それぞれコーティング付とコーティング無で用意しております。
また、『ポジタイプP』のコーティング付き仕様には多刃タイプもございますので、アルミニウム合金、銅合金、耐熱合金、ステンレス鋼を、より高能率かつ高品位に加工することが可能でございます。
2.面取り用超硬Qボールエンドミル
282°と、広範囲に刃付けされたボール刃を有し、パイプ形状など様々な穴形状のバリ取りの他に、裏面取りも可能なQボールエンドミルでございます。コーティング付ですから高能率で長寿命、高品位な加工を、長く安定して行うことが可能でございます。R1.4、R1.9、R2.4、R3.9の4サイズを用意してございます。
3.裏面取り用超硬エンドミル
玉手箱でも触れておりました、裏面取り専用の右刃左ねじれ仕様でございます。ですから綺麗な裏面取り加工が可能でございます。加えて4枚刃ですから、高能率に裏面取りを行うことが可能です。最小先端径φ3.9(首下長16mm)から最大先端径Φ7.9(首下長32mm)までの4サイズ、用途に応じて使い分けくださいませ。
4. コーティング付き3枚刃カウンターシンク
母材に超硬を採用したものには、全角で60°と90°を、ハイス母材のものには全角で60°、90°、120°を用意。豊富な先端径ラインナップで、最適なカウンターシンク加工をお届けいたします。
ところで、『HY-PRO』ブランドって何だろう?と思われたかたもいらっしゃるかと思いますので、少々歴史を紐解いてみたいと存じます。1968年2月、当社は海外拠点として初めて、アメリカにOSG Tap and Die(現OSG USA)を創業しました。『HY-PRO』ブランドは、そこで用いたブランド名でございまして、元々アメリカに存在していた工具メーカのブランドでございます。以来、様々なソリューションを『OSG』ブランドと『HY-PRO』ブランドでお届けして参った次第でございます。海外での事業を始めて半世紀が過ぎ、来月はいよいよ創立85年を迎えます。これからも、皆さまのお仕事の採算性、付加価値、生産性の向上やSDGsな課題解決として貢献できれば幸いでございます。
謹言
OSG月刊メールマガジン201号からの新企画「OSGお土産100選」!
日本のみならず世界各地で働くOSG社員がおすすめのお土産をご紹介します。
今回、ご紹介するお土産は京滋営業所の舟戸推薦の「工房しゅしゅの湖のくに生チーズケーキ」です。
「湖のくに生チーズケーキ」は個性豊かな六つの酒蔵の酒粕を贅沢に使った生チーズケーキ。山々から琵琶湖に注ぎ込む清らかな伏流水と、豊かな土地での米作りが脈々と受け継がれてきた滋賀には、美味しい地酒をつくる酒蔵が数多くあります。
推薦コメント:
工房しゅしゅの「湖のくに生チーズケーキ」を推薦します。この生チーズケーキは絶品で、容器がお猪口になっているのが特徴です!
京滋営業所配属となり、生まれて初めて、育った愛知県を離れました。滋賀県に越してきたばかりの頃、上司からもらった滋賀観光ブックで見つけたのが、この「湖のくに生チーズケーキ」です。両親にもプレゼントしたところ、大好評でした。この生チーズケーキを食べると、社会人になった時の気持ち、両親のことを思い出すほどです(笑)。
2022年の12月から営業デビューしました。初心を忘れないよう、生チーズケーキを食べ、日々精進してまいります!よろしくお願いします!
舟戸は、2022年6月に配属された新入社員。小、中、高、大学とずっと野球部に在籍。高校時代にレギュラーに入れず、人生初めての挫折を味わう。その悔しさをバネとして、大学では野球と勉強の両方に入魂。本人は「野球の舟戸」と覚えてほしいとのこと(笑)。
オーエスジー京滋営業所は滋賀県栗東市にあり、所員5名(写真の4名+撮影者)が在籍。
工房しゅしゅ - 湖のくに生チーズケーキ
https://chou-chou11.com/