メニュー
検索

メールマガジン

2021年1月号 (第181号)

技術の玉手箱 /  ドリルのシンニング効果とは?

本年も皆様のお役に立つ情報を発信してまいります。
2020年が明け、新年を迎えた最初のテーマは「あける」、穴を「あける」ドリルの「シンニング」についてお届けしたいと思います。

シンニングは、「Thinning=薄くする」を意味します。ドリルの心厚を薄くすることからこのような名称で呼ばれています。ドリルの先端にシンニングを施すことで、切削抵抗を減らしたり、穴位置精度を高めることができ、ドリルにとって非常に重要な役割を果たしているといえます。

ドリルの先端は、切れ刃・すくい面・逃げ面・チゼルエッジで構成されます。チゼルエッジは、穴あけ加工で最初に被削材に接触する部分ですが切れ刃ではないため切削の能力がありません。

そのため、チゼルエッジが残ったままのドリルではスラスト抵抗が大きくなり、食付き性が低下し、穴が拡大したり、曲がったりと安定した加工ができません。

シンニングによってチゼルエッジを短くすることで、スラスト抵抗を減らすことにより小さな力でも加工が可能となり、被削材への食いつき性や求心性(穴の中心に近づく性質)が向上することで安定した穴あけ加工が可能になります。また、シンニングを施すことで、ドリル中心部にチップポケットを確保することができ、中心部からの切りくず排出性が向上します。

また、中心部からの切りくず排出をよりスムーズにするため「ギャッシュ」を入れることがあります。今月号のK爺のイチ押しで最新の「Rギャッシュ」を備えた3枚刃ドリルADO-TRSを紹介していますので、是非ご確認ください。

このようにシンニングを施すことで、スラスト抵抗を減らし、切りくず排出性が向上するなどドリル加工におけるトラブルの要因を解消します。その結果、ドリル加工の安定や長寿命化につながります。

シンニングにはX型・R型・N型など様々な形状があり、オーエスジーのドリルは種類や用途、工具径によってシンニングの形状を使い分けています。シンニングの種類とその効果についてはオーエスジーのテクニカルデータ ドリル加工(P.11)に詳細が記載されていますのでご確認ください。

ドリルを再研磨する場合、シンニングをきちんと元の形状にしないと再研磨後の性能が大きく変化してしまう可能性がありますので、再研磨する際にはシンニングの形状にもご注意していただきたいと思います。

技術の玉手箱はWEBセミナー「ランチタイムセミナー」でもご覧いただけます。今回の内容は1月27日(水)12:20~12:35にお届けします。無料でご参加できますので是非お申込みいただければと思います。お申込みはOSG WEB SHOWROOMからお願いします。

K爺のイチオシ /  ADO-TRS

謹啓、新春の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。令和3年が始まりました。ということで、令和3年最初のイチオシは“3“にまつわるイチオシを。

“3“は、Wikipediaによると『自然数または整数において2の次で4の前の数であり、奇数であり、2番目の素数且つ三角数でもあり、加えて三角数においては唯一の素数である』と、特別感満載な数字でございます。

それは工具においても同様でございまして、2枚刃の良さと4枚刃の良さを兼ね備えているとも言えるのでございます。但し、逆もまた真なり、時として双方のデメリットを露呈することもあるかもしれませんが…

そんな3枚刃という特徴的なドリルADO-TRSを、三度(みたび)イチオシとして紹介させて頂きます。

一般的に、3枚刃のドリルには、以下の3つの課題がございます。

①スラスト抵抗が大きい
→2枚刃よりも刃が多いだから抵抗が大きいのは当たり前?

②切りくずトラブル
→2枚刃より溝が小さいのだから切りくずが詰まり易いのは仕方ない?

③被削材を選ぶ
→切りくずが詰まり易くてスラスト抵抗が大きいのだから鋼には向かない?

が、しかし!ADO-TRSはそれらの課題をクリアした、画期的な3枚刃ドリルでございます。では、どのように課題を解決したのか?決め手はRギャッシュ(PAT.P in Japan)でございます。

Rギャッシュにより、切りくずが流れにくい中心部での生成・排出がスムースになり、かつ、切りくずのカールと排出方向をコントロールする事でスラスト抵抗が大幅に下がり、切りくずトラブルも解消されたのでございます。そうして、切りくずが繋がり易い鋼、例えばSS400でも安定して穴加工ができる3枚刃ドリルとなったのでございます。

ADO-TRSの特長を動画にまとめております。是非、ご覧くださいませ。



本稿が皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。本年もよろしくお願いいたします<(_ _)>

謹言

英語ワンポイント /  What’s that?

What’s that?
「何、それ?」

カジュアルに聞き返すときの決まり文句です。相手の言ったことが聞こえなかったり、意味が分からなかった場合などに使います。

「What’s that?」と聞くと、相手は言ったことが分からなかったと理解して、もう一度その事について説明をしてくれます。

我らがメルマガ編集部も2021年度が始まりました。早く、頭と体を正月モードから切り替えないと…

けんさん:
さあ、今年のビッグプロジェクトがもうすぐ始まるよ!そろそろ準備に入らないとね。

マサコちゃん:
そうですね、早めに取り掛からないと間に合いませんからね。
じゃあ、早速打合せしましょうか?

さらちゃん:
あ~あ、何だか正月気分が抜けなくて、まだ頭がフル回転しない感じ。
休みが長すぎるのも問題よね。早く社会復帰しないと!

けんさん:
さらちゃん、正月なんてずいぶん前の話でしょ。
早く仕事モードに切り替えて!頼むよぉ、さあ、始めるよ!

よっこらしょっと(と言いながら椅子から立ち上がるけんさん)
おっと、なんだか体が重たいなあ!

さらちゃん:
そう言うけんさんこそまだ体が正月ボケしてるんじゃないですか?

(じーっとけんさんを見つめながら)
絶対にお腹が一回り大きくなってますよねぇ…
お正月に暴飲暴食のしすぎですよ。いったい何キロ太ったんですかー?笑笑

けんさん:
何キロって、たったの5キロだよ。
5キロなんて私にとっては許容範囲、許容範囲(^^)v

さらちゃん:
「What did you say? What’s that?」
(今、何って言った?何それ?)

けんさん:
だから5キロなんて許容範囲ってこと。

マサコちゃん:
えっ!!!マ、マヂですかーーー?考えられないっ!?
私なんて1キロ増えただけでも死活問題なのに!

さらちゃん:
けんさん、確か去年も同じような事言ってたわよね?
でも…確か去年は3キロだったはず。年々、感覚が麻痺してるのね。
あ~怖い、怖い!あんな風にはなりたくない(笑)

令和3年も早くも1月半ばを過ぎようとしています。でも…
まだまだ心も体も正月気分が抜けないメルマガ編集部、仕事が軌道に乗り出すのはいつのことやら。やれやれ(^^;

メールマガジンの新規登録・退会はこちら