メールマガジン
2017年6月号 (第138号)
むく材に穴あけする以外に、既に別の穴が空いているところに穴あけをする場合もありますね。最初の穴はいいのですが、それに交差する穴をあける時はトラブルが発生し易いものです。特に交差する穴と加工するドリルの中心がずれていると、ドリルが加工中に逃げやすくなります。直交ではなく、斜めから入ったり斜めに抜けたりする加工も難しいものです。
先日、お客さまからこんなお問い合わせがありました。
「φ30の穴が空いているワークの側面から6mmの穴を貫通させたい。ドリル1本でやってみたんだけど、穴は曲がるし、ドリルは欠ける。どうすればいい?」
このようなお問い合わせは意外と多いのです。そこでお薦めしたい加工方法はこちらになります。
① 溝長の短いドリルで交差穴まで加工し、一旦ドリルを抜きます。このとき、交差する穴にさしかかる箇所、つまり断続切削になる抜け際では、送り量を推奨条件の半分以下にしましょう。
② 次は、再びドリルが実際に加工する際に位置がずれないよう、センタリング工具やフラットドリルで、次の加工開始部分に前加工を行います。
③ 残りの穴加工を仕上げます。このときの切削条件は推奨条件のままです。
このように、位置決め工程を追加することで穴曲りや工具損傷のリスクが低減され、安定した加工が行えるようになります。クロス穴の加工でお困りの際にはぜひお試しください。皆様のお役に立てればうれしいです。
謹啓、薄暑の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。OSGの窓際の自由人、K爺でございます。自動運転などAIの話題の絶えない最近ですね。ということで、今月のイチオシの前に…こちらも夢のあるお話を(笑)
・・・・・・♪♪♪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20XX年●●月▼▼日
~~~苦節20年、当社が全身全霊を注ぎ込んで開発しました超未来型ドリル、その名も“シャーペンドリル 極AI”がいよいよ発売!刃先が摩耗して切れ味が落ちた際、常に自動測定されているスラスト抵抗やトルク値が一定の抵抗値を超えると摩耗した切れ刃の下から新品の刃先が現れてくる~~~際限無く使えるドリル?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪♪♪・・・・・・
こんな夢のような画期的なドリルを紹介出来たら良いのですが(^^;、それは将来の楽しみに今はリアルなドリルのイチオシを、当社Aブランド製品からご紹介いたします。
「ドリルを売るなら穴を売れ!」とマーケティングの世界では言われるそうな・・・ということでドリルは穴をあける、いたってシンプルな工具でございます。しかしながら、単に穴が1つあけられれば良いというケースだけではなく、いわゆる量産部品の場合、゛一定数”の穴を゛安定して“、そして極力゛早く“あけられることを望まれることが多いのでございます。
そこで今月のイチオシは、一定の穴を安定して加工できる超硬ドリル、AD・ADOシリーズでございます。超硬ドリルでございますから勿論、極力゛早く“の条件も満たしております。
AD・ADOシリーズは、油穴の無いADには対応穴深さ2Dと4Dの2ラインナップ、油穴付のADOには対応穴深さ3D,5D,8D,10D,15D,20D,30Dの7ラインナップを揃えており、対応穴深さに応じて最適な刃形を採用しております。
『安定加工』
穴を加工する場合、どうしても加工中に出てくる切りくずを排出しながらの加工となります。それ故、切りくずの排出が加工を安定させる要素の一つとなります。そこでAD・ADOシリーズは切りくずを細かく分断する刃形、排出性に優れる幅広な溝を有す仕様となっております。
加えて低スラスト仕様でございますので、加工中のドリルにかかる負担が少なく、突発的な欠損や折損の心配にも配慮しております。注)ADOの、加工中にビビリ振動を発生し易い深い穴加工用(10D,15D,20D,30D)には、刃先強度を持たせるために直線切れ刃を採用しております。
『一定の穴数』
AD・ADOシリーズには新開発の多層コーティングEgiAsを採用し、被膜自体の損傷を抑えられる仕様となっております。従いまして、被膜の特性が長時間維持され易く、結果長時間の使用に耐えられる高い耐久性を実現しております。EgiAsの細かい特長は下表を参照ください。
SCM440(30 HRC)の加工において、他社類似品の1.7倍、当社従来品の1.3倍の耐久を実現できていることがお分かり頂けると思います。
最後に姉妹品のご紹介を。AD・ADOシリーズの姉妹品には、玉手箱で話のありましたクロス穴の加工にも有効なフラットドリルADFシリーズ、ステンレス・チタン合金用のADO-SUSドリルがございます。
AD・ADOシリーズに合わせてお使い分け頂ければと存じます。加えて、ADFシリーズはもうすぐお求め易いキャンペーンもあるようでございます。宜しかったらこの機会をご利用くださいませ。
本稿が日本のモノづくりの生産性向上、競争力向上に寄与できれば幸甚でございます。
謹言
大好きなお昼休み。今日もさらちゃんが楽しそうに仲間と会話をしています。
さらちゃん
先日、グアムに行って来たんですよ!日本から 3時間程度で行けるアメリカ~♪♪♪ミシュラン一つ星のステーキハウス【Lone Star】で食事をして・・・あぁ美味しかった!また行きたいっ♪
けんちゃん
やっぱり、食事目的なんだ?しかもステーキ(笑)
さらちゃん
お肉大好きだも~ん。ボリューム満点でしょ?お皿からはみ出しそうなお肉~最高っ!!!
けんちゃん
どうどうどう・・・落ち着いて、落ち着いて(笑)ミシュラン一つ星のステーキハウスって、雰囲気とかはどうなの??
さらちゃん
ん?サボテンが置いてあって~それからウシか何かの頭蓋骨のレプリカ、そしてカウボーイハットがあって~・・・そうそう、西部劇に出てくるアレですよ!もうどこからどう見てもテキサス風ステーキハウス!
けんちゃん
ふ~ん?テキサス風なんだね。で、名前は、ミシュラン一つ星だから【Lone Star】?アメリカは言い回しがおつだね!
さらちゃん
んーーーーん、残念!【Lone Star】は、「テキサス州」の歴史に由来ある言い方なんです。昔、今のテキサスとその近辺はヨーロッパに征服されました。紆余曲折を得て独立をする際に、一つ星をあしらった旗を作ったそうです。その後、アメリカに合併されることになるのですが、現在も州旗はその当時のものを使用しているんですよ!
けんちゃん
へぇ~。星条旗の一つの星にも由来有りってことか~!
さらちゃん
ちなみにニューヨークのことは【Big Apple】って言いますよ!けんさん、得意のネットサーフィンでアメリカの理解を深めてみてはいかが?