メールマガジン
2016年12月号 （第132号）
今回は台形ねじの有効径公差が条数によって変わるという情報です。JIS（日本工業規格）には「メートル台形ねじ」があります。ねじ記号は Trで、呼び径、ピッチともmmで表します。
Tr10×1.5
こんなカンジですね。ねじ山の角度は30度で、名前のとおり台形のねじです。
代表的な用途は、「動く」部分に使われる部品です。自動車のパワーウインドウ、機械の親ねじなど、上がったり下がったり、右へ行ったり左へ来たりといった箇所に使われることが多いです。台形ねじはその使われ方から、多条ねじであることも多いですね。
JISによると多条ねじのケースでは、おねじ、めねじいずれも有効径公差は、1条ねじの公差に以下の割増し係数を乗じて広げています。
| 多条 | 2条 | 3条 | 4条 | 5条以上 |
| 割増し係数 | 1.12 | 1.25 | 1.4 | 1.6 |
例えばTr10×1.5のケースでは、はめあい区分：中（7H）でめねじ有効径の許容限界寸法は、9.250～9.474mm（公差0.224mm）です。これが条数になると次のように有効径公差が広がります。
2条では0.224×1.12 公差0.251mm
3条では0.224×1.25 公差0.280mm
4条では0.224×1.4 公差0.313mm
5条では0.224×1.6 公差0.358mm
ところが、メートルねじでは多条ねじでも、有効径公差は広がりません。例えば、M10×1.5 めねじ精度6Hでは、めねじ有効径の許容限界寸法は9.026～9.206mm（公差0.180mm）で、多条ねじになっても公差は変わりません。
メートルねじの有効径公差を広げない理由はわかりませんが、どこかでこの豆知識がお役に立つとうれしいです。
謹啓、霜寒の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。OSGの窓際の自由人、Ｋ爺でございます。このコーナーでは、モノづくりを取り巻く様々な知見とともに、OSGのイチオシ工具を紹介して参ります。皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。
2年ぶりのJIMTOFが終わりました。大勢の方にご来場頂き有難うございます。何かしら、お仕事のヒントとなる情報をお持ち頂けたなら幸いでございます。
さて、新大統領トランプ氏の治めるアメリカ経済の動向が気になる師走ございます。選挙中過激な発言の多かった同氏ですから、いろいろな物議が醸し出されるのも仕方のないことでしょう。とはいえ、モノづくりの基本は変わりません。品質の良いモノを、より早く、より環境に優しく、そしてより安く。今月も、モノづくりで求められるご要望に応えられる当社のイチオシをご紹介させて頂きます。
今月のイチオシはJIMTOFで発表、発売となりましたAE-VMSでございます。当社の場合、JIMTOFで発表、発売はその後というケースが多かったのでございますが、本シリーズは発表と同時に発売でございます。力の入れ具合が今までとは全く異なる製品であるとご理解頂ければと思います。少々自虐的過ぎましたかな（笑）
では本題のAE-VMS・・・一言でいえば防振型の超硬エンドミルなのでございますが、それだけでは芸がございません。以下は当社開発者のコメントでございます。
こだわったのが、金属加工時にどうしても発生してしまう「バリ」。これは、既存のOSGの製品の弱点でもあったため、「バリ」をなくすための工夫に時間をかけて取り組みました。
このように開発者がこだわったバリ対策。以下は社内での性能比較試験の結果でございますが、その実力は、是非とも実際にお試し頂きたいところでございます。
【バリ抑制】 バリが少なく、びびりのない良好な加工面
またAE-VMSは、このような切れ味を重視した低抵抗仕様に加えて、“DUARISE“と名付けられた新種のコーティングを施しております。その狙いは、エンドミル加工のような断続切削で発生し易い〝熱クラック”による突発的な欠損を抑制するところにあります。詳細はカタログでご確認くださいませ。
とまれ、AE-VMSは従来のネーミングとも一線を画し、手前味噌な言い方で恐縮ですが、かつてない程熟成させた開発の上に成り立つエンドミルでございます。高能率な加工を高品位に、しかも大変リーズナブルに（不躾にお値段の話をするのは不本意ですが）実現する、新たなミーリングスタンダードなエンドミルでございます。
今秋、新たなＡブランド品としてリリースされたAE-VMSをイチオシとして紹介させて頂きました。皆さまの夢をカタチに、本稿が皆さまのお仕事の一助となれば幸いでございます。
謹言
ある日の午後、カタログ掲載用の加工データとにらめっこしていたさらちゃん。他の書類やカタログと見比べたり、何やら書き込みしたり……ひと段落ついたのか、にっこり笑顔で“outstanding!”と言いながら、手にしていた赤ペンを置いて立ち上がりました。
と、さらちゃんの向かいの席のマサコちゃんは「外出するんでしょ？上着持たなきゃ」と声をかけます。
「はいー？」小首をかしげるさらちゃんに、マサコちゃんが続けます。「だって、さらちゃん今、outにstandingって言ったでしょ？理由は分かんないけど、とにかく外に出て立つんでしょ？上着着ないと風邪ひいちゃうよ！」
「あ～、そういうことね～！！！」ようやく納得のいったさらちゃん、「惜しい！」と説明を始めました。
「“outstanding”とはずばぬけてすごい、実に優れた、抜き出て優秀なというような意味があるんです。立っている（standing）位置が飛び出している（out）＝ずば抜けたところに立っている＝突出して優秀な、というような感じですね。
で、この加工データを今度のカタログに載せるんですけど、凄いんですよー！ドリルを変えだけで、1500穴もタップの加工穴数が増えたんですって！凄いでしょー？だから“outstanding!”思わずつぶやいたわけです」
「そっか～、そうなんだ！！」と、マサコちゃんはちょっと悔しげ、でも心なしか嬉しそうなマサコちゃん。そんな彼女を、わかる単語を組み合わせ半ば強引に考えていくその想像力と姿勢こそが“outstanding”だと思ったさらちゃんでした。
たくさんのご応募、ありがとうございました。
笑い、感動、喜び、悔しさ、驚き、恐怖、……。「工具」や「加工」などにまつわる思い出やエピソードを川柳にする「OSG川柳」今年もたくさんの作品が集まりました。
そんな多数の応募作品の中から、見事「最優秀賞」、「優秀賞」、「佳作」に輝いた作品を発表いたします！
【最優秀賞】
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・ちっぽけな 工具が日本 支えてる （いーなん）
Facebook
・穴開けて 覗く世界は 未来かな （Hilokaju Ohkubo）
【優秀賞】
・やばいです！ ？？？ 良いか悪いか ちゃんと言え！ （晴遊雨酔）
・どうチタン（Ｔｉ）？ 部下と子供の 共通語 （ＹＤＭボーイ）
【佳作】
・手は出さない 金は出さない 口は出す （缶コーヒー）
・ステンレス ドリルと努力で 粘り勝ち （つるりん）
入賞された方には順次、賞品を発送いたします。お楽しみに♪