メールマガジン
2021年7月号 (第187号)
今回の玉手箱は、ねじの「規格と校正」をテーマにお届けしたいと思います。突然ですが、皆さんトイレットペーパーの幅ってご存知ですか?トイレットペーパーの幅は「JIS規格」で決められていて114mm(±2mm)が規格になっています。なぜ114mm?となると思いますが、これは日本に導入された加工機4・1/2インチ(1インチ=25.4mm)だったことからのようです。現在は、SDGsな視点から幅のせまい、幅107mmのトイレットペーパーも登場しています。
さて、本題のねじの「規格」について説明していきます。ねじには多くの種類があり、ねじの構成要素には外径・内径・有効径・ピッチ・山の角度などがあり、それぞれ「規格」で決められており、ねじが規格通りにできているか測定するのはなかなか難しいものです。
そこで、複雑な形状かつ厳格な規格で定められているねじの形状を、簡単な操作で測定できるのが「ねじ用限界ゲージ」です。メートルねじの場合、測定方法は通り側ゲージがねじの全長にわたって通り抜け、止り側が2回転を超えてねじ込まれなければ合格、というのは皆さんご存知ですよね。
このねじを測定するねじゲージにも「規格」があり、測定が必要です。ねじゲージを使用していくと摩耗しますので、摩耗により規格から外れていないかどうかをチェックするのが「校正」です。校正をすることでねじゲージが規格を満たすことが保証され、校正されたねじゲージでねじを測定することでねじの品質が保証されます。
ねじゲージの校正も、規格で規定されていて、トレーサビリティーに基づいた環境で行う必要があります。現在では、品質保証体制を定めるISO規格のISO9001、日本国外の主要自動車メーカー向けに100条項がプラスされた自動車メーカーの国際規格IATF16949、更には航空宇宙産業特有の要求事項が織り込まれたJIS Q 9100などがあり、ねじひとつをとっても品質保証は非常に重要視され、校正の重要度はますます高まっていると言えます。
※オーエスジーはISO9001、JIS Q 9100の認証・取得メーカーです。
ねじゲージをお使いの皆さんも品質を重要視されて、定期的に「校正」をされていると思いますが、「定期的な校正さえしていれば安心」と言えるのでしょうか。校正時には規格内だったねじゲージが次回の校正までに摩耗で規格を外れてしまっていたら・・・という可能性はありますよね。ただ、そうは言っても摩耗しているかどうかは見た目には分からないというのが本音ではないでしょうか。
そんな不安にお応えする日常的にねじゲージの点検ができる「摩耗点検ねじゲージ」と摩耗状況が目視できる「TiNコーティングねじ用限界ゲージ」をオーエスジーでは標準品でご用意していますので、K爺のイチオシコーナーで詳しくご紹介させていただきます。
7月はねじゲージの基礎や、日常管理についてより深くご理解いただける無料セミナーを下記の通り、開催いたします。
「基礎から学べる切削工具」シリーズ ねじゲージの基礎知識編
開催日:2021/7/8(木) 10:00~10:40(40分)
安心できるねじゲージの管理方法セミナー
不適合品流出を防ぐためのねじゲージの正しい知識とは?
開催日:2021/7/13(火) 10:00~10:30 / 12:20~12:50(30分)
2021/7/15(木) 10:00~10:30 / 12:20~12:50(30分)
ランチタイムセミナー【技術の玉手箱編】
開催日:2021/7/28(水) 12:20~12:35(15分)
お申込みはOSG WEB SHOWROOMからお願いします。
摩耗点検ねじゲージ
玉手箱に記載の通り、日常的にねじゲージの点検ができるゲージでございます。JISでは、摩耗し易く、またその寸法を測定するのが困難なGR(通り側リングゲージ)用に、「GW」という呼称で設定されております。またISO等級用では、止り側リングゲージNRにも「NW」が設定されております。ではGP(通り側プラグゲージ)は?一般的には、三針を用いて計測するため(下図参照)JISにはGW同様な摩耗点検ねじゲージの設定はありません。
しかしオーエスジーでは、摩耗を簡単にチェックできるゲージとして、「GPW」なる摩耗点検ねじゲージを用意しております。同様に、WR(工作用止り側リングゲージ)用に「WW」、IR(検査用止り側リングゲージ)用にIW、WP(工作用止り側プラグゲージ)用「WPW」、IP(工作用止り側プラグゲージ)用に「IPW」・・・ん~~~、ややこしい(笑)ということで、以下、当社の設定した摩耗点検ゲージの一覧でございます。参照くださいませ。(注:WW、IW、WPW、IPWは受注対応品でございます)更にテーパねじ用も受注対応可能でございます。
赤字で示した摩耗点検ねじゲージはあくまで、「JISに規定されていない為、判定は参考」ではありますが、定期校正の間のリスクヘッジには有用でございます。また、これらの摩耗点検ねじゲージは、従来JIS2級用のGWがM1.4x0.3からM30x3.5まで、M10以上は並目と細目で、またISO等級用のGWとNWは、M1.4x0.3からM36x1.5まで(注:サイズによっては細目のみ)標準ラインナップを揃えております。当社オリジナル設定のGPWは、従来JIS用、ISO等級用ともにM2~M12に標準ラインナップを揃えております。詳しくはこちらでご確認くださいませ。
TiNコーティングねじ用限界ゲージ
こちらも玉手箱にも記載がありましたが、「摩耗が目で確認できる」のが最大の特長のゲージでございます。摩耗点検ねじゲージで確認しなくとも、摩耗が一目瞭然でしたらどうでしょう?安心ですよね?以下、その様子と精度設定のイメージ画像でございます。TiNコーティングねじ用限界ゲージは摩耗が目で見えるだけでなく、高硬度なTiN被膜により耐久性も著しく向上いたします。ご使用環境に依るお話ではございますが、「従来のゲージの5倍以上長く使えた」というお客様の声もございます。また、コーティング被膜により錆びにくいという特性もございます。(注:全く錆びないという訳ではございません)
TiNコーティングねじ用限界ゲージは、従来JIS2級、ISO等級6HともにM2x0.4~M12x1.75までの他、高精度な航空宇宙用ユニファイねじ3B用に、ヘリサート用と合わせて標準ラインナップを揃えてございます。詳細はこちらを参照くださいませ。
またTiNコーティングゲージの他、銅やアルミ、樹脂など、滑りが悪くてねじゲージの使い勝手の悪い材料向けに、潤滑性に優れるDLCコーティングを施したDLCコーティングねじ用限界ゲージも、従来JIS2級、ISO等級6HともにM2x0.4~M12x1.75まで標準ラインナップを用意してございます。こちらも合わせてご紹介まで。
本稿も、皆さまのお仕事の生産性向上の一助となれば幸いでございます。
謹言
Call back
「電話を掛けなおす」「後ほど折り返す」
コロナ禍で訪問が難しい昨今、電話での売り込みが増えていませんか?そう、我らがメルマガ編集部でも……
マサコちゃん:
さらさん、さらさん!ちょっと聞いてくださいよぉ!
今日もまた、知らない業者さんから
よく分からない何かの売り込み電話があったんですよ!
最近、多くないですかぁ?
さらちゃん:
そうね、私も昨日は3件ほど似たような電話を取ったわ。
最近は景気も厳しいし、電話での売り込みが増えてるのよね。
マサコちゃん:
私、なかなか上手く断れなくて、なんだかんだと話を聞いてしまうんです。
さらさんは、どう対応してるんですか?
さらちゃん:
そんなの簡単よ!
向こうだって断られるのを前提にかけてるんだから、はっきり断っちゃえばいいのよ!
けんさん:
さらちゃん、〇〇〇っていう会社から電話だよ!繋ぐね。
さらちゃん:
〇〇〇なんて会社聞いたことないわ!
マサコちゃん、これ、たぶん売り込みの電話よ。
ちょうどいいわ、聞いてなさい!これがお手本よ(^^)v
☎☎☎
はい、もしもしメルマガ編集部です。どのようなご用件でしょうか?
……
あー、そのようなご用件でしたら間に合ってますので結構です!
……
(受話器を手で押さえながら、「しつこいわね!」とマサコちゃんに言って)
I’m busy right now, so I will call you back.
(申し訳ありませんが今はちょっと忙しいので、またこちらから掛けなおします!)
ガチャ!
マサコちゃん:
さらさん、さすが!あっという間に終わってますね。
でも、また掛けなおすんですかぁ?
さらちゃん:
笑笑。
掛け直すわけないでしょ!向こうも気にしてないわよ。
アッ、また電話掛かってきた。
☎☎☎
はい、もしもし。
はい……
はい……
He is not here at the moment. I’ll get him call you back tomorrow.
(申し訳ございませんが、彼はただ今不在です。こちらから明日にでもお電話するように伝えます。)
けんさん:
さらちゃん、その手の電話の対応ホント上手いよね!
ところで、今のはどちらから?
さらちゃん:
△△△のXXXって名乗ってました。
かなり怪しかったですよぉ。
妙に急いでた様子だったしぃ……
けんさん:
えーっ!
△△△のXXXさん?!それ、僕の義理のお父さん!!!
(けんさん、顔が急に青ざめる)
さらちゃん:
え?そ、そうだったんですか。
す、すみませ~ん。でも……
明日って言っちゃったんで明日でいいんじゃないですかぁ?
けんさん:
はぁ?
そういう問題じゃないの!
急いでた様子だったんでしょ?
今からすぐ電話しなきゃ、あ~あ
慌てて電話を掛け直すけんさんを横目に、
☎☎☎
I’m busy right now, so I will call you back.
(申し訳ありませんが今はちょっと忙しいので、またこちらから掛けなおします!)
またもや営業電話を一刀両断しているさらちゃんなのでした。チャンチャン(笑)
あ、もちろんメルマガ編集部のお話はフィクションですのでご安心下さい!