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2017年4月号 (第136号)

技術の玉手箱 / 座ぐりの有無によるタッピング時の切りくずの違い

前回は、切りくずが延びやすい軟鋼のSS400材の長い切りくずの様子を紹介しましたが、実はめねじ口元に座ぐりが付いていて、たいへん難しい加工であることを内緒にしていました。

今回は、座ぐりの有無でどれくらい加工が難しくなるのか比較してみたいと思います。

被削材は高炭素鋼のS50C、ねじの呼びはM10x1.25、油穴付きスパイラルタップと油穴付き転造タップで加工している様子を動画でご覧ください。

最初は、口元に座ぐりが無い状態をスパイラルタップで加工し、次にφ11x18mmの深さの座ぐりがある状態をスパイラルタップで加工しています。最後は、座ぐりがある下穴を切りくずを出さない転造タップで加工しています。

口元に座ぐりが無い場合は、問題なくスムーズに加工できています。座ぐり付きになると、切りくずが押さえつけられてしまい、切りくずが上手く離れません。切りくずが鳥の巣のようになり、途中で機械を止めて切りくずを取り除かないとタップが欠けたり折れてしまいます。これでは連続加工は困難ですね。

対して転造タップは下穴径の管理が厳しいなどの制約はありますが、切りくず障害が無く、本加工のような切りくず離れの悪い加工や深穴加工などに大きな効果を発揮できます。加工に応じて最適なタップを選択していただけたら幸いです。

‘K爺’のイチオシ商品 / OSG-HAIMER Power Clamp

謹啓、桜花の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。OSGの窓際の自由人、K爺でございます。今月のイチオシは切削工具にあらず、切削工具の効能を存分に引き出す為のツーリングに関するご提案でございます。

超硬エンドミルを中心に、焼きばめチャックの利点が注目され始めて久しい昨今ですが、まだまだ
「焼きばめチャックは取付け時間がかかる」
「焼きばめ装置が必要だからコストがかかる」
と思っていらっしゃる方が多いかと思います。

今月のイチオシは、そんな焼きばめを簡単且つ短時間に行える装置、OSG-HAIMER Power Clampのご紹介です。百聞は一見に如かず、その操作性の良さをこちらでご確認ください。あっ、4分半の動画ですからお時間のある時にm(__)m

Power Clampは、適応するシャンク径や用途に応じた、複数のパッケージでラインナップを用意しております。
φ3~φ50の大径まで連続焼きばめ可能な『プレミアムパッケージ』、φ3~φ32に加え、大径も少量焼きばめ可能なコイルを付加した『スタンダードプラス』、φ3~φ32対応の『スタンダード』、手軽に始めたい方用の『スターター』、
φ3~φ16の小径工具の焼きばめに適した横型『ナノ』。(横型ナノの動画はこちらから)

Power Clampの操作性の良さは確認できましたでしょうか?さて続いてもう一つの課題、焼きばめ装置のコストについて。正直、決してお安い装置ではございませんが、短時間で振れ精度良く取り付けられることで、取付け時間の短縮や加工精度の向上を実現することが可能でございます。

さらに今月より1年間(2017年4月3日~2018年3月30日)の長期に渡りキャンペーンを行います。期間中は、スタンダートパッケージとナノパッケージのいずれかを購入頂いたお客様にホルダを無償提供、スタンダードパッケージでしたら10本、ナノパッケージでしたら5本、提供いたします。以下、お薦めのパッケージの特長でございます。

~高い振れ精度や剛性が要求される部品加工に最適~
Power Clamp スタンダードパッケージ

・シャンク径φ3~φ32の工具に対応
・交換式ストップディスク不要
・短い加熱時間
  - シャンク径φ12の工具でも5秒!

~小径エンドミルを使った金型加工に最適~
Power Clamp ナノパッケージ

・シャンク径φ3~φ16の工具に対応
・横型のため工具が落下するリスク無し
・短い加熱時間
  - ミニシュリンクチャック* なら最短で1.5秒!
*ミニシュリンクチャック・・・ハイマー社製スリムタイプ焼きばめチャック

精度よく高い把握力を実現する焼きばめチャックを、時間をかけずに簡単に行える、今月はそんなイチオシ、Power Clampのご紹介でした。本稿があなたの仕事の生産性向上にお役に立てば幸いでございます。また実機で実際に体感されたい方は、4月12日(水)~15日(土)東京ビッグサイトで開催されるインターモールド又は当社グローバルテクノロジーセンター(愛知県豊川市)までお越し頂けたらと存じます。スタッフ一同、お会いできることを心待ちにしております。

謹言

【Q】 PSめねじをチェックするゲージはどれですか?

【A】 PSめねじにはめ合うおねじはPTになりますので、通常はテーパプラグゲージ(PT)でチェックすればよいです。

PSおねじ(現在は廃止)が使われている可能性もあるため、その際はPS限界ねじプラグゲージをお使いください。

PTプラグゲージ、PSプラグゲージ共に、標準在庫品ですが、あらかじめ納入先にご確認ください。

英語ワンポイント / Red-eye flight

さらちゃんの上司が、先日、シンガポール支店へ出張に行きました。

そろそろ出張も終わりに近づき、上司を日本で待ち構えるのは、所狭しと机上に置かれた書類の山。崩れてないだけまだましか・・・?かく言うさらちゃんも「これでもか!」と情け容赦なく(!?)資料を積み上げた一人ですが・・・

上司の出勤が今日か、明日かというとある日の午後、マサコちゃんがさらちゃんに声をかけました。

マサコちゃん
ねえねえ、今日帰国だっけ?ん?到着って何時だっけ?急ぎで報告したいことがあるんだけど・・・

そんなマサコちゃんにさらちゃんが答えます。

さらちゃん
たしか・・・Red-eye flightで帰国しているはずだからもう日本には着いているはずですよ!でもどうだろう、電車の中かな??電話してみたら??

マサコちゃん
ん?日本にいて電車の中にいるかもってことはわかったけれど、Red-eye flightってなに??レッドアイって赤目??赤い目なんて名前の航空会社あったっけ?

さらちゃん
直訳すると「赤い目の航空便」。別名「目の隈便」。現地時間の真夜中に離陸する深夜便のフライトのことです。

楽しい旅行のあと、飛行機の中では旅の途中の睡眠不足を取り戻すべく熟睡・・・とはいかないのが旅の常。楽しさのあまり興奮で寝れなかったり、窮屈な座席であまりの寝心地の悪さに寝付けなかったり、寝れたとしても眠りが浅く、はたまたあまりの乾燥具合に目がカピカピ・・・・まだ日本に帰りたくない!と現地を旅立ったはずなのに、日本に着陸するころには日本食を食べてお風呂に入ってゆっくり寝たい・・・そう思ってしまう方も多いのではないでしょうか。

時差が1時間のシンガポール。時差ボケもないはずですが、Red-eye flightの影響なのか、うっすらと赤い目と隈で出勤してきた我らの上司。机をみて目を真ん丸にして、書類とパソコンに向かいました。その上司を横目に「お土産!チョコレート??わっTim Tamだっ!!」とはしゃぐ相変わらず食いしん坊さらちゃん。そして、何も報告できないマサコちゃんでした。

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