海外技術
Overseas Technology
海外での生産拠点立ち上げや、新規生産ラインを構築する際には、現地へ赴き陣頭指揮を執るなど、主に海外拠点の支援業務を担当。ここでは、海外の研究機関にゲストエンジニアとして出向した社員を紹介。
海外での生産拠点立ち上げや、新規生産ラインを構築する際には、現地へ赴き陣頭指揮を執るなど、主に海外拠点の支援業務を担当。ここでは、海外の研究機関にゲストエンジニアとして出向した社員を紹介。
OSGUK(AMRC出向) 2016年入社
興味の幅が広く、いろいろなものに触れてみたい性分。そのため、OSGなら切削工具を通して、大きなものでは航空機、小さなものではスマートフォンと、幅広い製品技術に関われる点に惹かれたという。決め手は、採用面接を受けた企業のうち、どこよりも雰囲気が明るく柔らかった点だとか。今は出向先の海外研究機関で、エンドミルの先端技術を研究している。
イギリスにある産学連携の研究機関に、ゲストエンジニアとして出向しています。新材料や、最先端の加工方法などさまざまな課題に対して、OSGならどんな工具で、どのように加工するのかを提案するのが主な仕事です。なかでも私は「チタン合金の高効率加工」という課題に挑んできました。この課題に対する1つの解として、日本のエンジニアの方々にも協力を仰ぎ試作したのが、全く新しいエンドミル。他社の工具メーカー製品と比較した場合、加工効率で約1.3倍、工程費として約20%の削減を実現しました。研究段階なので、今すぐに製品化へと結びつくわけではありませんが、この成果がOSGにとって新たなビジネスのきっかけとなりうることに大きなやりがいを感じています。
この技術以外にも、私が在籍している研究機関では、航空機関連の加工技術を多く保有しています。そのため、今後の製品開発を見越して、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の加工に適した、耐摩耗性に優れた「DIA-BNC」などの複合材加工用向けルーター製品や、チタン合金の加工に向けた「UV-TI-6FL」のテスト使用も実施しています。
これらの先端技術は、未だOSGが知らない内容も多く含まれていることから、最新情報や今後注目されていく加工方法などのトレンドを、日本の設計・開発に展開するのも重要な役割の1つです。
私は工学部出身ではあるものの、入社するまでドリルやエンドミルといった切削加工の器具に触れたことがありませんでした。そのため新入社員時代は、機械学科出身の同期と比較すると分からないことが多く、少なからず焦りを感じていました。そのため、ハンデを乗り越えようと、誰よりも積極的に学び、多くを理解するよう努めてきたつもりです。この姿勢は、海外研究機関で働く上でも大いに活きており、日々舞い込む新しい情報について、同僚たちに質問を投げかけては知識量の向上に努める毎日です。赴任したばかりの頃は、専門分野外のOSG製品に関する質問にうまく答えられず、悔しい思いを経験しました。その時も、持ち前の学び続ける姿勢で臨み、不明点はとにかく聞くことで知識を身に付け、今では現地研究員からの質問に対して、臆することなく答えられるようになりました。
専門分野であるエンドミルの設計に関する知識は身に付いたものの、製造方法や、お客様毎の最適な加工方法についてはまだまだ勉強中です。将来は、周辺領域の知識も身に付けた上で、製造から実際の使用法までを見越した、エンドミルのあらゆる分野で通用するエンジニアになりたいですね。
出向先のイギリスは、天気が悪いことが多いため、動画配信サービスを利用して映画を観たり、ギターやベースを弾いたり、日本の兄弟とオンラインゲームを楽しんだりと、自室で過ごす時間が多いです。その分、貴重な晴れ間は散歩や観光を存分に楽しみます。せっかくイギリスに来ているので、かの有名な「ハリー・ポッター」のロケ地、ホグワーツ魔法学校行きの特急の始発となっているキングズクロス駅にも行ってみました。